20,03,03。John Bonham。
1980年9月25日、全米ツアーに向けてのミーティング&リハーサルの為にメンバーが集結していたJimmyの新居兼スタジオでJohn Bonhamは急死してしまい、32歳というあまりに短い生涯に幕を下ろしてしまいます。
当時ヘロインと手を切るためにアルコールと精神安定剤を服用していたBonhamは24日のバンドリハーサルではまともに演奏できないほど酔っていたました。
酒乱で暴れん坊として名を馳せてはいたものの、スタジオワークでは演奏に真摯な姿勢で向かう事が常だったBonhamでしたが77年以来となる全米ツアーへのプレッシャーから相当ナーバスになっており、結果的に酔いつぶれてしまいスタッフの手でベッドに運ばれましたが、翌朝吐しゃ物をのどに詰まらせての窒息死状態で発見されます。
zeppelinはBonhamの死を受けて即座にすべての予定を中止し、メンバーチェンジを行うことなく12月にバンド側からの公式声明で解散を発表しました。
その卓越したドラミングセンスとエネルギッシュなプレイで現在においてもプロアマ問わず広くリスペクトされ続けるJohn Henry Bonham。
他の多くのバンドのようにメンバーチェンジに頼ることなく彼の死をもってzeppelinが解散してしまった理由は数多く残されているライブ音源に残されています。
Buddy Rich等のジャズドラマーに影響を受けJohn Paul Jonesと共にモータウンが大好きだったと言われる彼のドラミングはもちろん代わりが利かないほど個性的ですが、今回のリンクにある永遠の詩のDazed and Confusedの演奏シーンの5:40からを確認していただけるとその理由が分かり易いでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=ZQgYn23Xvck
ステージでは常にドラムセットの横にいたベースのJohn Paul Jonesとコンタクトを取りながらも彼のドラミングはJimmy Pageの奏でるギターを聞いて組み立てている様子がよくお分かりいただけると思います。
実際Jimmy PageはBonhamの死後数年間全くギターを弾かなかったと言われるほどでした。要するにzeppelinのコアであるJimmyのギターが成立するためには最適なリズムを提供してくれるBonhamの存在が不可欠だったという事なのでしょう。
生前の彼の人物評は極端に相反した証言が多い事が有名です。
家族思いで気が優しくて誰よりも演奏に対して真摯な姿勢で臨んでいた男。
手の付けられない暴れん坊で精神年齢は小学生以下とまで言われた男。
どちらも本当だったのだと思います。早逝してしまうミュージシャンの多くがそうであるように、本来長きにわたって消費すべきエネルギーをまだ若いうちにすべて使い果たしてしまうような生き方だったのでしょう。
彼の死後、何度か残りのメンバー+αでステージに立つことはありましたがそこにled zeppelinは存在していなかったように感じます。
不世出のロックドラマーJohn Bonhamの死によってzeppelinもその伝説に幕を下ろしたのでした。
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