見出し画像

20,02,28。ledzeppelin77年①

76年Robert Plantの回復を待ち、表舞台から遠ざかっている間にメンバーとスタッフはヘロインにはまってしまいます。特にJimmy Pageはかなり常用していたとの事でその影響は相当に深刻でした。

巨万の資産を手に入れ周囲には自分たちの為に体を張って望みをかなえてくれるスタッフが付いており、なおかつ過酷なツアーで精神的に極限まで高められた精神状態がツアーから離れた事でどうにもバランスをとれなくなってしまった等の理由はありますしもともと過去のツアーでも酒と薬(アッパー系ドラッグ)は必需品でしたがヘロインへの耽溺はバンドとして致命的でした。

過去に多くのミュージシャンたちがこの「白いレディ」の所為で活動意欲と創造性、最悪命までも失っていますがJimmy Pageも76年から80年代初頭において「ストーンな日々」の代償に「頭に浮かぶフレーズ」を奏でられなくなったように感じます。

もう一つ当時のzeppelinに大きく影を落とすことになるのがツアースタッフの無法っぷりのエスカレートです。

こちらも元々過去のツアーにおいても乱痴気ぶりには定評がありましたが、世界制覇感と薬の影響でメンバーからの抑制が希薄になったこともあって77年全米ツアー中にその暴力性がエスカレートしていく事になります。

ツアーに必ずついて回っていたマネージャーのPeter Grantとツアースタッフ頭のRichard Coleはワイルドではありましたが反面有能な仕事っぷりへの評価も高い事で有名でしたが77年には二人もヘロインの影響でその仕事ぶりに陰りが出てしまい、スタッフに元映画俳優で筋金入りの無法者と言われたJohn Bindonを迎入れた事でもはやツアースタッフはzeppelinの為の暴力装置と化してしまいます。

ダウンロード (20)

そんな状態で4月1日から始まった77年全米ツアー。
セットリストからはデビュー以来創造の為の場であったDazed and Confusedが外され、75年には無かったアコースティックセットが追加になりニューアルバムからの新曲であるAchilles Last StandとNobody's Fault but Mineが披露されています。

過去最大級のセットリストとなった事と各楽器のソロパートの肥大化で毎回の長丁場になるのですが、正直演奏の出来にムラが激しく、安定しているRobert PlantのVoに比べてJimmy Pageのギターは時折耳を疑うレベルのプレイが頻発しています。

今回のリンクはツアー序盤4月9日のシカゴスタジアムでの映像です。
劣悪な画質ですがJimmy Pageの体調不良によりTen Years Goneの演奏後にコンサートが打ち切られた貴重な様子が確認できます。
https://www.youtube.com/watch?v=YVCiBd1oodU
断片的ではありますが開始直後から元気のないJimmy PageがTen Years Goneの後半で倒れこむようにドラムセットの前に座り込む様がこのツアーでの彼のコンディションを表しているかのようです。

そんな調子で始まった77年全米ツアー。次回は逆に名演となった公演とその悲劇的な結末について書こうと思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?