大腸がんの話。おもらしの一夜。

予定よりもだいぶ時間はかかったものの無事にストーマ撤去手術は完了。

前回使われなかった背骨からのカテーテル麻酔がしっかり効いて、痛みを感じることのない最初の夜はぐっすり眠りにつける予定だったのですが世の中そんなに上手くはいきません。

大腸がん手術の時ほどではありませんが絶食だったので通常の排泄ではないのですが、業務再開したお尻からの体液その他の排泄が止まりません(笑)

術後最初の夜は尿道にはカテーテル、お尻にはおむつと排泄に対する備えは万全なのですが、お尻からの排泄を「こらえる」という事が全くできず、ナースコールからのおむつ交換を一晩中という50代半ばの男子としてはかなりの羞恥プレイを繰り広げざるを得ない羽目に。

手術後初めての夜ですから点滴をはじめ何本もつながっているチューブの所為で体の自由はほぼ皆無。強めな麻酔の所為なのか久しぶりの業務再開で不慣れな所為なのか「何か熱いものがお尻に来た」と感じるとほぼ同時におむつを汚してしまいます。

あまりにナースコールを繰り返す事に引け目を感じて「何発かある程度まとめて呼んだほうが良くないですか?」と聞くも「まとめちゃうとベッドまで汚しちゃいますから、一回ごとに呼んでもらって全然OK!」とのありがた~いお言葉。

最初に入院した時から看護を受ける立場として余計なプライドはかなぐり捨てて、既にすべてをナースさんたちにゆだねているつもりでしたが、一晩に十数回のおむつ交換というのはなかなかにハードでした。

患部が大腸という事もあり看護を受けるポイントが下半身に集中していますから、この一夜のおかげでかなり恥ずかしいシチュエーションでケアされる事態になっても「よろしくお願いしま~す」とすぐに全てをさらけ出せるよう鍛えられました。

「麻酔が切れてお尻が排泄行為を思い出してくれたら…ちゃんと出来るようになるんだよねぇ…」という不安とともにおもらしの一夜は明けていきます。朝を迎えるころには絶え間ない排泄も収まり、歩けるようになった事でおむつも外れますが、翌日には強い麻酔が原因の新たな問題が発生することになるのでした。


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