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20,03,02。ledzeppelin80年。
79年にネブワース2dayでライブを再開させたzeppelin。
シーンへのカムバックを完全なものにすべく、まずはヨーロッパを短期で回るTour over Europe80と命名されたツアーを6月にスタートさせます。
前回書いた通り当時はパンク&ニューウェイブ全盛となっており、日本の音楽誌でもオールドウェイブの代表格のzeppelinのツアー情報の扱いはごく小さなものでした。
自分が当時目にした記事も単ページのサラッとしたツアー紹介記事で、そこには「おおむねファンに熱狂的に迎えられてはいるもののJimmy Pageのあまりにラフなギターは目に余ることがある」と書かれていた覚えがあります。
このツアーの音源を初めて聞いたのはチューリッヒ公演のアナログブート「swiss made」でしたが自分も観客の熱狂的なリアクションに反してzeppelinの演奏に違和感を覚え「何か変だな…」と感じていました。
Tour over Europe80では時代の趨勢に合わせて演奏のコンパクト化とインプロ展開の排除が行われておりイメージ的にこじんまりとした印象のライブで進行していたのです。
デビュー当時と同じTrain Kept a Rollin'で始まり、In Through the Out DoorからAll My Loveが演奏される等のトピックはあるもののJimmy Pageのギターに冴えはあまり感じられず、John Bonhamのドラムも淡々とリズムを刻んでいるだけという印象で70年代前半の勢いが感じられません。
全盛期にライブを牽引していた2人のコンディションの悪さでかつてのようなライブは不可能だったというのが正直な所といった印象が否めません。
実際ツアー後半数公演がJimmy Pageによってキャンセルされていますし、John Bonhamは6月27日のニュルンベルグ公演でダウンしています。
そんなTour over Europe80は7月7日のベルリン公演で終了し、結果的にこのコンサートががzeppelinの最後のライブとなります。
悲しいかなこの最後となるライブ、Jimmy Pageのプレイはまさに目を覆うばかりでツアー千秋楽ゆえに各曲のソロが長めとなっていますが、海より深い愛をもってしても庇いきれない不毛なプレイとしか言いようがありません。
マニアの間でも評価が正直低いTour over Europe80ですが皮肉な事に高音質のサウンドボード音源が多数残されています。
今回のリンクは自分の印象でベストなのではないかと感じている6月30日のフランクフルト公演です。
https://www.youtube.com/watch?v=gL9D9bEE5UA
Jimmy Pageのギターも比較的まともでアンコールにはアトランティックレコードのフィル・カーソンがベースで飛び入りするといった70年代初期の頃を思わせる華やかなライブとなっています。
ヨーロッパのファンには熱狂的に迎えられたツアー終了後、いよいよ全米ツアーへのカムバックを目指しリハーサル中だった9月25日、今までのトラブルとは比ではない悲劇に見舞われることになります。
それはJohn Bonhamの急死でした。
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