大腸がんの話。体質デメリット。

いよいよストーマ撤去手術で入院です。

3か月ちょっとのお付き合いではありましたが普通では体験できないストーマ着用生活を体験し、比較的ケアが容易と思われる小腸ストーマではあったもののオストメイトの方々の苦労を理解する事が出来た事で人を慮るたしなみを得る事が出来たように思います。

撤去手術は入院が一週間、手術時間が一時間程度と聞いていましたから正直舐めてかかっていたと思います。手術前の面談でも「楽勝っすよね?」的な事を担当医に話していた記憶があるのですが、その時既に「思わぬ苦労」の前振りは聞かされていたのでした。

「体格のわりに体幹の筋肉ががっちりしているからなぁ…」

若い頃から肉体を酷使する仕事についていた事が多かった所為もあって腹筋やら背筋といった筋肉が年恰好のわりにシッカリしているとの事でした。

20代の頃から「お前は食生活と体形が釣り合っていない」などと言われるほど比較的大食いで野菜嫌いで油物好きにもかかわらず肥満と無縁だったのはひとえに豊かな体幹部の筋肉がカロリーを消費してくれていたおかげだったようです。もっともそのしっぺ返しは尿管結石~大腸がん(?)~痛風としっかり返ってくるのですが。

一抹の不安を抱えつつもあれよという間に手術の日を迎える事に。

ベッドで麻酔から覚めた自分が最初に思ったのは「あれ?全然痛くないな」でした。腫瘍摘出時やストーマ設置の時に目が覚めると同時に自覚していた腹部の鈍痛がありません。

意識が戻ったことに気が付いた妻から聞かされたのは手術が3時間以上に及んだ事と、今回は血圧が低い事を無視して最初から強い痛み止めを使ったという事でした。

様子を見に来てくれた担当医が詳しい話を聞かせてくれましたが、どうやら自分はとんでもない癒着体質との事で、ストーマを設置していたほんの3か月の間に担当医曰く「見たことがないレベルで腸が癒着していてびっくり」だったそうです。

ストーマ設置の為に移動した腸管は滅茶苦茶に癒着。豊かな体幹部の筋肉は撤去時には作業の妨げにしかならない。

そんなこんなで手術時間は想定よりもだいぶ長くなり、当然患部のダメージも大きいとの事で前回は設置はしたものの全く使わなかった背中からのカテーテルによって強い痛み止めを使用しているとの事でした。

もっとも本人にしてみれば痛みは全くないし、なんだか少し人とは違う能力を持っている事が判明したような厨2気分で術後最初の夜を迎えるのですが、その夜には今まで体験したことのない恥ずかしい思いをする事になるのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?