【運命哲学#4】習慣の力があなたを変える
あなたにも意識しているかどうかは別として色々な習慣があると思います。
その習慣があなたの人生を左右している、と言ったらびっくりしますか?
習慣とは第二の天性、第二の人格です。
「天性」というと持って生まれた先天的なもので生まれ落ちた瞬間から生涯変わることはないと思っている人もいますが、それは違います。
人間の持つ気質や能力を「徳」といいますが、それには「天徳」と「人徳」があります。
天徳とは、易経で「元亨利貞(げんこうりてい)」といいますが、万物を育む四季など宇宙の調和そのものであり、人間の力ではどうすることもできません。
対して人徳とは、それぞれの人間に配置された「器」です。
こちらは習慣によっていかようにも変化するもので、たとえば善人でない人も善行を積むことで善人になります。
運命の凶い人も、正しくコントロールすることで開運します。
あくまでも後天的なものであり、それは幼少期の体験や家庭環境の影響を大きく受けます。
金銭感覚、対人関係、恋愛、家庭などはどのような幼少期を過ごしてきたかによって大きく変わるのです。
ロバート・フルガムの『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』という本が多くの人の共感を呼んでベストセラーになりましたよね。
幼少期の体験は何でもたいていはその人にとって初体験なので「三つ子の魂百まで」で潜在意識に刷り込まれるのです。
確かに幼少期の経験は人徳に大きな影響を与えますが、習慣はどのような幼少期を過ごしてきたとしても、全てを変える大きな力を持っています。
習慣は昔は「習坎」と書いていました。
「習」は白鳥の子どもが繰り返し羽ばたき、飛び立つ練習をしている姿を表しており、「坎」には「土に掘った落とし穴に落ちる」ところから苦難や艱難という意味があります。
易経の『六十四卦』の中の「坎為水(かんいすい)」は、大洪水が全てを押し流し次々に災害が重なって起きている状態をいいます。
昔の人にとって大洪水は一番恐ろしい災害でした。
そんな大災害の「苦期」の中、常に流れ続ける水の中で心の強さ、正しさを失わず強い意思を持つことが「習坎」です。
何があっても強く、正しく、意思の力を用いて繰り返し行うのです。
確かに新しい習慣を身に付けるのは簡単なことではありません。それは新しい靴を履くときと同じで、最初は靴ずれやマメができて脱いでしまいたくなることもあるでしょう。
しかしそれでも履き続けていれば、やがて靴は身体の一部になります。
これが習慣の力です。
良い習慣が良い人間性を作るのです。
では、どうやって悪い習慣を改めて良い習慣にすることができるのでしょうか?
習慣は一旦根付くと潜在意識に刷り込まれてしまいますから、改めようとしてもなかなかできません。
無理やり「やめなきゃ」と足掻いてもかえって執着してしまうでしょう。
そこで、悪い習慣をやめようとするのではなく、新しい習慣という代打を送り込みます。
たとえば、禁煙したいけれどもつい通りかかるコンビニに行ってタバコを買ってしまうというのなら、タバコの代わりにコーヒーを買って気持ちのいい場所を散歩しながらゆっくりコーヒーを楽しんではどうでしょう。
コンビニでものを買うという行為は同じですが、コーヒーや散歩にタバコの代打をさせるわけです。
最初は辛いかもしれませんが、三週間も続ければ潜在意識のレベルに落ちて自動運転になります。
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