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変なこと

職場にインターン(若手社員)がきている。

私も微力ながら色々教えているけれど、先輩社員には敵わない。でも、だから、と言って先輩が言っていることが正しいわけじゃない。

「名札、そのつけかたは気をつけたほうがいいよ」

確かに、ブラウスやIDカードホルダーに名札を挟んでいることは良くないんだろう。名札は左胸につける、のが一応の決まり。彼の言っていることは間違ってない。

でも、私服の勤務箇所で、女性社員はほとんど名札を挟んでいる。

なぜか。それは、名札をつける場所がないから。

「穴空いてもいい服、着てきたほうがいいよ」

私は驚いた。そんな服、ないよ。

たとえUNIQLOだって、仕事着と分かっていたって、針を刺してもいい服はない。それに、ポケットは女性のブラウスの他に、スーツの上着にだってついていないものが多い。私が持っている名札をつける場所のあるスーツは、わざわざ探して、購入したものだ。

そこには男性中心の目線がある。

男性のワイシャツにポケットのついていないものはない。スーツにポケットのないものはほとんどない。だから、そこにつけられるように、名札は作成されている。でも、女性だけは、決まりだから、と名札を差すために服に穴を開けたり、探す手間をかけないといけない。

そんなのわかりきってることだ?

じゃあ、車椅子の人が段差を上がれないのは仕方のないことだしそんなところ行かなきゃいい、と考えるの?それは、とても、生きづらい社会。誰かだけが過剰に我慢をしなくてはならない社会は正しくはない。

名札。当たり前のことだと思っていたけれど、想像力のかけたものだと思う。

こんなことを考える私は異質だろうか。

世界はグラデーションに満ちているのに、世界は単色でしか見ようとしていない。私は、虹と共に生きていたいだけなのに。

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