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東大ローの予備抜け率

今回は、上位ロースクールにおいてどれだけの学生が予備試験合格・司法試験合格によって途中退学していくのか、文部科学省公開のデータをもとに表にしていきます。

以下の資料を基に作成していきます。
・令和2年度法科大学院関係状況調査(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/houka/mext_01069.html)

なお、便宜上、関東・関西圏のうち上位ローと呼ばれるロースクール(東大・京大・一橋・阪大・神戸・慶應・早稲田・中央)をメインに、ハイライトにして整理していきます。

早速、資料を基に、既修H30・未修H29年度入学者のうち、卒業までに司法試験合格を理由に退学した者の数・入学者に占める割合を一覧にすると以下のようになりました。

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圧倒的。圧倒的東大です。
入学者212人に対して予備試験・司法試験合格退学者が42人。約20%にも上ります。次点の慶應ですら6.5%です。

東大はこのように毎年非常に多くの優秀層が予備抜けしていくので、司法試験合格率や留年率を若干落としています。

そのため、予備抜けを加えた実質的なR1年度司法試験合格率を計算すると、東大は通常の合格率よりも8%以上も合格率を上昇させ、京大を抜いて第2位になります(「予備抜けを加えたロースクールR1年度司法試験合格率ランキング」)。

その他、司法試験合格退学者率を見ると、意外と一橋・京大の数字が高くないことがわかります。
京大は年によって異なるようですが、内情として予備試験にあまり興味を示さない優秀層が多く、この意識の差が東大との違いを生んでいるものと思われます。

また、慶応は東大ほどでないにせよ一橋・京大を超える予備抜け率となっています。
近年司法試験合格率で慶應と早稲田が近似してきているという話もありますが、予備抜けを加えた実質的なR1司法試験合格率では慶應と早稲田は合格率で10%程も差が開いています。「慶應は予備抜けが多いから実質的合格率では依然差がある」ということもできそうです。

なお、予備抜けを加えた実質的な司法試験合格率実質的ストレート卒業率については以下リンクのnoteをご参照ください。
・予備抜けを加えたロースクールR1年度司法試験合格率ランキング(https://note.com/namayoukan/n/n88dc32a2eb43
・留年率から見る上位ロースクール(https://note.com/namayoukan/n/n8fa0553c3618

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