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詩「白鍵」

雲のネックレスが引きちぎれて
空から雨の粒が落ちてくる
地面にぶち当たり
次から次へはじけていく

鼻を空へ伸ばすゾウが
必死で鼻息を吹き出すけれど
ラッパのような高音は出ない
なし崩し的に行進は始まる

走り始めたゾウ達の背で
よろめいているフラミンゴ
長い脚をぐわんぐわんとしならせ
右往左往しつづけている

おしくらまんじゅう
肉体の密度が増していき
首元から零れ落ちた
一粒ダイヤのネックレスが
地面で三たび跳ねた

ダンゴムシは世界に背を向けて
じっと丸まったまま白化する
周りで何が起きているのか
最後まで気づかないまま

やがて静かになった大地で
枯草だけが毛先を揺らす

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