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大企業なのに。なぜイノベーション文化を維持できるのか?

元リクのなまリクです。主にHR領域や組織マネジメントについて書いています。今回は組織の老化について書きます。

会社の成長は老化は伴う

自然の摂理かな。会社はYoYで成長していくため、YoYで年を重ねていきます。

企業が年を重ねると、社員や事業の数が増え、組織が複雑化し、個性は均質化します。
具体的には、官僚主義の蔓延、組織は承認の階層化、手段の目的化、過剰品質、経営陣の没個性など。
このように、企業の成長は鈍化し、経営効率は悪化してきます。

リクルートの「心理学的経営」

リクルートはいまや2兆円規模の企業です。ところがこのような一般的な会社が陥る「老化」はあまり見られません。これはなぜか?

ひとつ言えるのは、リクルートが創業時より実践している「心理学的経営」がいまでも効いているという仮説です。

創業チームである大沢武志さんが1960年代に作り上げた、人のモチベーションを開放する人材・組織開発、時代を超えても機能する普遍的でユニークな技法が「心理学的経営」です。

これは「自己実現人モデル」と呼ばれ、マズロー、ハーズバーグ、マクレガーら心理学者の思想をとりいれたもので、「人は他律的に行動するのではなく、自律的に行動し、自分らしく生きたいと思うものである。」という原則に沿った組織運営手法です。

リクルートは工場や知財を持った企業ではないので、「人」を最大の資産と考えています。この「人」を自己組織化、つまり自律的に動く集団にすることを基本思想とし、「内発的動機」と「環境適応」を最大限に高める人材組織設計がいまでもリクルートに脈々と流れ、「人」の競合優位性を支えています。

意図的にカオスをつくる

往年のリクルートも規模の拡大とともに老化を感じていたようで、創業者の江副さんも「動脈硬化はなんとしても避けねばならない。」という発言をしています。

「心理学的経営」生みの親の大沢さんは、あいまいそのものを経営方針とおき、環境変化への適応と自己革新のために、意図的なゆらぎ=カオスを生み出すことをポリシーにしました。

社内でディスラプター(破壊者)を創造することを構わないとする文化。ハレを重んじるお祭り的キックオフ。これらのいまに続くリクルート文化からもカオスを垣間見ることができます。


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