【140字小説】トリック泥棒

「凄い想像力だ。小説家にでもなった方がいいんじゃないか」
追い詰められた男は大仰な身振りで言った。
言われるまでもなく私は小説家だ。
そして貴方のトリックは私が昨日落としたメモ帳のものだ。
大事な復讐に人のネタで挑むなよ。
使えるトリックが1つ減ったじゃないか。

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