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制服ってどうなの

子どもが高校に進学し、制服を買った。冬服、夏服、体操着⋯⋯合計すると軽く10万円以上になる。靴下やバッグまで決められている。

10万円もあれば、もっとおしゃれな服を何着も買ってあげられたのに⋯⋯と残念な気持ちだ。

制服になんの意味があるのだろうと、自分が学生だったころからずっと思っていた。「学生らしく」あるため? 勉強に集中させるため? 派手だと不良になるから(笑)? 若者に地味でいてほしいなら、若者を無個性のまま縛り付けたいなら、「シャツは白、他は紺、黒、グレー、茶系でまとめること」というゆるい校則を設ければ済む話ではないだろうか。

どのみち大学や社会では、自分でTPOに合わせた服を選ばなければならない。その前段階からトライアンドエラーを繰り返したほうがいい。

昨今は気候だっておかしい。異常気象に制服では対応できない。冬服のスカートじゃ寒すぎる、夏はカッチリした制服じゃ暑すぎる。私は寒いと体調を崩しやすい体質なので、冬はモリモリに着込みたい。夏は熱中症を予防するためにもゆるっとした風通しのいい服でいたい。そうやって気候と服と相談しながら体調管理することを覚えることも人として必要なことだ。快適な服装をしてこそ、勉強に集中できるというものではないだろうか。

おまけに靴はローファーと決められている。学校の行き帰りはかなりの距離を歩かなければならない。成長期の子どもには足に合ったクッション性の高い靴を履かせてあげたい。バッグも、その日の荷物に応じて肩に負担のかからないものを持たせてあげたい。

しかも、卒業したらまだ着られそうな状態だとしても、着ることができない。うちには中学のジャージがまだきれいな状態で残っている。名前がばっちり刺繍されているから後輩に譲ることもできない。環境配慮が叫ばれる時代に逆行している。

「制服はデメリットしかないよね!」
と言ったら、「制服のほうがいい」と我が子。

「朝、何も考えなくていいから、制服のほうがラク」

いやいや、何も考えなくていいわけない。考えるべきなんだ。うんと考えて考えて、薄着して寒くて失敗したり、そういうときは羽織りをカバンに入れたほうがいいと学んだり、誰かの着こなしを参考にしたり、周りに同調したり、たまにはみだしたり。そういう経験が必要なんじゃないか。



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