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うつ病になったので、移住して家庭菜園をする。

このノートは死にたさについての描写が出てきます。精神状況の不安定な方は閲覧にご注意ください。

起業をした。2店舗目を出店した。結婚を決めて同棲をした。


まぁそれなりの人生を歩んでいたつもりだったけど、コロナ禍と共にすべてが壊れた。



それはコロナ禍が原因のこともあったし、そうなることが自然だったこともあった。
不幸なことはそれが重なってしまったことと複数の要因が作用し合っていてにっちもさっちも行かなくなったことだ。


わたしは重度のうつ病を発症した。
仕事ができないところか、身体が重くて動かずトイレにさえ行けない日々だった。
同棲を解消する前だったが、彼にバレないようにするのにさらに神経をすり減らした。
同棲を解消し新生活を始められるだけの資金はなかった。当時私の貯金は0、収入も0。
借金だけが毎月積み重なっていた。


毎日、隕石が落ちてきて明日の朝地球もろともなくなり目が覚めないことを願い、毎朝、変わらず朝が来てしまったことに猛烈に死にたくなった。

猛烈な死にたさの発作で毎朝目が覚める。地獄だった。死にたい衝動がくるとどうにも止められなかったが、幸か不幸か、わたしは生理学に精通しており、人間がそう簡単に死ねないことを知っていた。

し損じたらどうしようという強烈な不安がわたしを実行から遠ざけた。

ある日、それでもと決心し、中目黒の部屋の浴槽でことに及んだ。
「生き残ってしまったらどうしよう」強烈な不安がまたわたしを襲った。

うつ病なので死にたさの発作がくるが、うつ病のためあらゆることへ不安が募り、ちゃんと死ねるかどうかすら強すぎる不安で立ち上がることさえできなくなった。

確実に、死にたい。
どうにか確実な方法を取りたい。

わたしはそれ以前に付き合っていた元パートナーで内科医に連絡をとった。
彼とは当時、お互いの向いている方向が違いすぎて、別れを選んだが、医者としてはとても信頼していた。
きっと彼ならば確実な方法を教えてくれる。まだ彼に愛が残っていれば、もしかしたら安らかな方法で彼がわたしの命を経ってくれるかも、とも考えた。

これがひとつの出口となった。
彼はわたしの命を奪うことなく、それどころか、死に猛烈に向かいたがるわたしの病状を、「それは病気だ」と言い続けてくれた。
24時間オンコール。わたしの死にたさを受け流し続けた。
(受け止めるではなく受け流してくれたこともありがたかった)


彼が殺してくれないのならば、死ねないのならば、この死にたさをわたしの中から除去するほかない。




2年の闘病を経て、2022年10月頃、完全に正常化した感覚があった。
失っていた認知機能も回復し、文字も読めるようになった。
この間、コロナ禍による自粛も終息に向かい、借金まみれの会社も回復していた。(借金自体がなくなるわけではないが、借金を積み増ししなくても良くなり、返済もでき始めている。)

お金がないので引っ越し費用もかけられず家賃も払えないからという理由で人生で初めてワンルームの小さなマンションに住んでいた2年間だったが、ちょうど完全な回復と同じ時期に引っ越すことが出来た。

たくさん本を買い、数年ぶりに(思い返すと、うつ発症以前にも少しずつ本は読めなくなっていた)本が読めることを噛み締めた。
毎月何冊も読んだ。
スーパーに行き食材を買って自分のために料理をした。ちゃんとおいしい。とてもおいしい。
わたしは、わたしのためにちゃんと暮らしていける。生きていける。
あ、大好きな犬もいる。闘病中は何より愛する犬たちの面倒もみられなくなり実家に預けていた。

犬の面倒もちゃんと見られる。
毎日散歩に行って、一緒にお昼寝する。

4月から、仕事も完全に復帰した。
働き方は以前とは少し変えて、毎日半日だけ働く。週7働くというとギョッとされることもあるが、毎日ヘトヘトになるまでは働かない。ちゃんと家に帰ってごはんを食べられる。これが今のわたしにはとても心地いい。

5月からは、家庭菜園を始めた。
昔からずっと憧れていた。うつの寛解の時期に引っ越しを考えたときに実は移住も割と真剣に考えた。

けれど、虫が怖すぎること、寒さが耐えられないこと、そして結局仕事が諦められなかったことなどを理由に、通える距離でのなんちゃってお手ごろ移住にした。
今の家には広いベランダがあって、ここを畑にしようと決めていた。

夏になったら、朝5時に起きて、毎日川で犬たちと遊んでいる。




今、過去いちばん元気。いま人生でいちばん、しあわせ。


30代、独身、子供なし。彼氏なし。犬あり。菜園あり。
そんなわたしのちいさな幸せが、模範解答ではなくとも、誰かにとってときに難しすぎて投げ出してしまいそうな現代社会を生きるの解法のひとつになりますように。




これはどんなノートですか?
うつ病を経て「晴耕雨読」を人生の軸とした30代独身女のリアルライフエッセイです。
暮らしのこと。主にインテリアや家庭菜園のことを楽しく綴ります。


うつ病で苦しいです。このノートが助けになりますか?
わたし自身の経験談(発症のことや治療のこと)はきっと多くのうつ病に苦しむ方やそのサポートをする方にとって参考になると思うので、近いうちにまとめたいと思っています。ただ、その情報をみなさんの目に触れる場所に置いておくことには慎重になりたいと考えていて、できることならば専門家の監修なども入っていただく形でまとめたいなという思いがあります。興味関心のある出版社さんなどいればぜひお声かけください。

いま、うつなどの精神疾患で苦しむ方へ

まず、専門家に話をしにいってください。わかります。身体が重くて電話をするのも一苦労だし、そんなときに初診は2ヶ月待ちです、なんていわれたらそれこそ苦しいから、それならベッドで泣いている方がマシって思っちゃいますよね。
でも、あなたの医師はあなたの今の状況を、病状として扱ってくれます。それはあなたの性格ではなく、もちろんあなた自身でもなく、病状なのです。
もちろん信頼できるひとに相談することもとてもいいことですが、まだまだ精神疾患への理解は浸透していなく、どんなに人として素晴らしい人でも知識がないゆえに、心ない言葉をかけられてしまうこともあるかもしれません。

わたしはいま、それなりに幸せに生きていますが、そもそも幸せに生きなきゃいけないとも思っていません。
どうせこの苦しすぎる人生をやめられないのなら、せめて苦しさを味わわなくていいような生き方がしたいなと考え、現在も模索中です。

模索できるようになったのは病気が治ったからです。
焦らずまずはゆっくり休んで、ゆっくり治っていくのを待ちましょう。

わたしも、一緒に待ちたいと思います。
何ヶ月後か、何年後かになるかわからないけど、もし以前の元気を取り戻した時には、一緒に家庭菜園でもやりませんか?











追記

暮らしについてのInstagramもやっているのでぜひ観てね。

こちらから


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