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ほぼ週刊ノーザンアルプスヴィンヤード

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毎週、畑の様子やワイナリーでの作業、いろいろ思ってることワイナリーのこれからといままでのまとめ、などなど書いていこうと思います。
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#日本ワイン

VINEYARD CREW 新しいかたちのワインコミュニティ

これまでの歩み 第1期・第2期ヴィンヤードクルー はこの2年間ブドウ栽培クラブとして活動してきました。多くのメンバーがワイナリーに足を運んでくださり、ブドウ畑での作業体験を中心に、秋には収穫体験をワイワイと楽しみながら活動しました。 前年までの活動はこちら これまでの課題 「栽培などやってはみたいけど、なかなかワイナリーに足を運ぶ機会がない。」そんな声が頻繁に届くようになり、3年目となる今年から内容を大幅にリニューアルしようと考えました。 ZOOMミーティングや出

僕のワインストーリー第2話 修行時代【ほぼ週ノーザン】

第1話では叔父が倒れてしまってさあどうしよう。。 というところまででした。 第1話はこちらをどうぞ ブドウ畑の開墾 いざワイン畑を開墾整備し、ブドウ苗を植えるというところで、指導してもらえるはずの叔父が入院してしまいました。自分の全財産貯金の数百万円を投資してしまってるので引くわけにもいきません。 途方に暮れてるわけにもいかず、叔父からブドウ生産組合の方に指導をお願いしたのですが、断られてしまいました。いよいよここで自分のスイッチが入り、自分で全部やると決めました。 病

僕のワインストーリー 第1話「そもそもの始まり」【ほぼ週ノーザン】

そもそもの始まり1999年25歳の時スイミングスクールで働いてた私。ワインの世界で有名になっていた従兄弟のソムリエにワインを飲ましてもらって。それはもうカルチャーショックで自分もその世界に憧れた。 タイユヴァンロブションのソムリエの従兄弟。まぁ絶対に追いつけない存在。ものづくりや職人というものに憧れていた自分は、ソムリエというより造り手になりたいと思った。ワインを造るには?自分の家の畑をブドウ畑に変えてワイナリーを始めるには?自分なりに調べて見積もりを手に入れたが3億円とい

ワイン酵母の選択と天然酵母【ほぼ週ノーザン】

今シーズン使うワイン酵母。 どんなワイン酵母を選んだのか書いてみたいと思います。 乾燥酵母の説明と選んだ理由。天然酵母についてもどんな時に使うのか説明しようと思います。 乾燥酵母はブルゴーニュの畑などで採取したものを単離培養したもので、人工酵母ではありません。ご安心を。 自然界に存在する酵母の中から、アルコール発酵を進める能力のあるものを選抜し、培養して増やしたものです。人工的に作り出されたものではなく、自然界に存在する酵母の中から、アルコール発酵を進める能力のあるものを選

ワイン醸造シーズンの到来:発酵資材の注文【ほぼ週ノーザン】

今シーズン発注していた発酵資材が届きましたいつもストックしていた酵母や資材がなくなったので、今シーズン発注しました。いつもと違う酵母も使ってみようと準備しました。 酵母 今回3種類の乾燥酵母を購入しました。 ワインの乾燥酵母は、ワイン醸造プロセスにおいて重要な役割を果たす微生物です。乾燥酵母について詳しく説明すると 乾燥酵母の役割: ワイン醸造において、乾燥酵母は主要な役割を果たします。醸造家は通常、ワイン醸造用の乾燥酵母株を選択し、醸造プロセスに導入します。乾燥酵母は

ノーザンアルプスヴィンヤードの収穫前分析:シャルドネの糖度を測る方法【ほぼ週ノーザン】

収穫前の分析収穫1ヶ月前くらいからブドウの分析を始めます。ノーザンアルプスヴィンヤードの主力はシャルドネで毎年10月が収穫日となるので、9月に入ると毎週分析作業を始めます。 分析項目 糖度分析 PH分析 酸度滴定 今回は糖度分析のお話をします。何冊か専門書を見たところ、うちと同じやり方は載ってませんでした。今回の分析方法は農業普及センターと前に勤めていたワイナリーの方法です。phや酸度滴定については来週からお話しいていこうと思います。 サンプリング 区画ごとにブ

【ほぼ週ノーザン】再開します。

ほぼ週ノーザン再開 大変ご無沙汰しております。 ノーザンアルプスヴィンヤード若林です。 何かと忙しい。という理由でなかなか更新していない状況。 ほぼ甘えでしょうか笑 なかなか売り上げが伸びない状況をどうしたものかと、ここ一年程いろいろな本を読み漁り、ひとり作戦会議を繰り返しSNSで広告を打ってみるなど実験を繰り返しました。 本にコンテンツマーケティングが成果を上げているなど記述があればnoteに記事をアップしていくなど様々な実験を繰り返しました。 いいワインを作っても

【ほぼ週ノーザン】2022年のワインづくり vol.16

明けましておめでとうございます。2022年が始まりました。2020年からコロナ禍に翻弄され守りの一手。規模を縮小して様子見を余儀なくされました。しかし今年はそうゆっくりもしてられない。いままでのやり方が通用しない。このままではジリ貧。試行錯誤ではありますが新しいチャレンジを行いたいと思っています。 BtoBからDtoCへ今までは酒屋さんへ卸すのがメイン。作ったワインは一般販売店、卸売業者に流通するのが全体の80%以上を占めていました。が、コロナ禍で受注が激減、売り上げが6割

【ほぼ週ノーザン】肩書 vol.15

朝五時。書いてます! おはようございます。ノーザンアルプスヴィンヤード 若林です。 最近、名刺を作り直そうと思ってるのです。いままで肩書は「代表取締役社長」でしたが、硬い。硬すぎる。なにかちがうものいいなと思っていました。 そこでいくつかリストアップしてみました。 WINE GROWER(ブドウ栽培兼ぶどう酒醸造業者) 醸造家 WINEMAKER ヴィニュロン(フランス語でぶどう栽培とワイン醸造を手掛ける人の事) 醸し家 2022年、肩書は「醸し家」になります

【ほぼ週ノーザン】雑談 vol.14

12月になりました。すごく寒くなったり暖かくなたり、体調を崩しやすい時期ですよね。今週のほぼ週ノーザンは雑談です。twitter投稿をいくつかピックアップしていきます。 雪が降った!今年は雪が降るのが早かったです。もう消えちゃいましたが笑。 12月、ホワイトクリスマスになりそうですよ。 現在のブドウ畑はこちら。今は雪が消えてる状態です。 たまちゃん。やんちゃです。たまちゃんは日々、破壊工作にいそしんでいます。 酒類販売管理研修に行ってきた。スケジュールがなかなか合わな

【ほぼ週ノーザン】ワイン造りの方向性vol.13

2008年からワインブドウを育て始め、初リリースしたのが2012年のヴィンテージ。当初は全体のコンセプトどころの話ではなく、ワインという形になったことがすごくうれしくて、うれしくて。 自然派にあこがれて。ブドウ畑を始めた当初は自然派に憧れていて、「自然に寄り添うワインを」とかコンセプトを作り自然派の本を読み漁り、オレは自然派ワインを作るんだと息巻いて、自然派ワインを飲みまくりました。本によると自然派というのは無農薬有機肥料を使い畑にあまり介入せず、醸造においても人があまり介

【ほぼ週ノーザン】メンブランプレスのオーバーホールvol.11

先週の23日24日とメンブランプレスのオーバーホールをしました。メンブランプレスの風船の張替えをしたのですが、めったにない作業なのでレポートしたいと思います。 メンブランプレスはブドウを搾る機械です。容量は800Lでとても小さくラボ用として販売されているものです。一般的には1000Lから1500Lくらいが日本では標準です。タンクの中に風船があり膨らむことによって圧がかかりブドウを搾ることができます。今回はその風船に穴が数か所空いてしまい圧が上がらない状態となってしまいました

【ほぼ週ノーザン】サニテーションvol.7

バタバタな8月上旬ちょっと間が空いてしまいました。酒税の監査でダメ出しをされ、凹んでる暇もなく遅れた作業を取り戻すべくひたすら作業に追われていました 通常、8月の作業というと、畑はお盆ころから防鳥ネットはり、醸造のほうは樽からタンクにワインを移動、濾過、瓶づめ、9月末からの収穫前に樽とタンクを空ける作業となります。これから樽を洗ったりタンクを洗ったりする作業が多くなります。 タンクのサニテーション洗うことをサニテーションといいますが、水やお湯だけで洗うわけではなく、やはり醸

【ほぼ週ノーザン】狂い始める歯車vol.4

ここ1年、コロナ過が始まって、これからのことを考える時間が結構とれるようになってきました。大変だったここ数年を振り返ってみましょう。2008年にブドウを植えたころは日本ワインブームはまだ始まっていない状態で、2015年ワイナリー設立、周りからの反対を押し切ってのスタートでした。 狂い始める歯車2016年ごろからバンプ病に悩まされ始め、なかなか収量が上がらない状態となりました。年々バンプ病の発生率が上がっていきます。何か歯車が狂ったかのように、収量が落ち、売り上げが落ち、挽回