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【ほぼ週ノーザン】狂い始める歯車vol.4

ここ1年、コロナ過が始まって、これからのことを考える時間が結構とれるようになってきました。大変だったここ数年を振り返ってみましょう。2008年にブドウを植えたころは日本ワインブームはまだ始まっていない状態で、2015年ワイナリー設立、周りからの反対を押し切ってのスタートでした。

狂い始める歯車

2016年ごろからバンプ病に悩まされ始め、なかなか収量が上がらない状態となりました。年々バンプ病の発生率が上がっていきます。何か歯車が狂ったかのように、収量が落ち、売り上げが落ち、挽回しようとプライベートブランドのシードル生産を始め、ギリギリのところで何とか持ちこたえていました。

シードル他社ブランド製品の生産

2018年、シードルの生産も大幅に多くなり、パートアルバイトスタッフも6名、シードル生産が追い付かず、ブドウ畑の作業よりもシードルの瓶づめ、ラベル張り、出荷作業に時間をとられるようになり、畑の作業もアルバイト任せ。この年の生産量が16000本。ワイン6000本、シードル1万本。完全にシードル頼みの経営状態なりました。

2018年ブドウ全滅

大問題が発生しました。アルバイトに畑の作業を任せていたのですが、きちんとできてないことが発覚したのです。機械が壊れているのを気づかずに1か月も作業をしていたのです。案の定、9月の収穫直前になってブドウがバンプ病に侵され、わずか1週間で全滅。それでも何とかならないかと収穫してはみたものの、できたのはわずか樽2本600本分だけでした。5トン近く廃棄せざる負えない状態に。泣きながら廃棄作業をしたのを覚えています。

追い打ちをかける突然の通知

そんななか、シードルで挽回しようと考えていた矢先、取引先から来年度分の生産から契約解除の連絡がありました。取引先も読みが甘かったらしく倉庫がいっぱいになってしまってこれ以上引き受けられないと告げられました。

2019年逼迫する資金繰り

売るものがない。大口取引先の契約解除。給料が払えなくなり、毎月の支払いが困難になっていく。取引先銀行からの新たな融資を断られ、万策尽きてしまいました。経営者といっても素人に毛が生えたようなもので、どう対処したらいいのかわからない。ただ救いだったのは、シードルをやめたことにより時間が出来たので畑の作業に集中できたこと。この年から収穫量は回復しました。自分でネットで調べまくり、借り換え、リスケジュールという手法があることを知りました。すぐ銀行に行って手続き方法を調べ、リスケジュールを実行することとなったのです。冬にはプレッシャーから3か月近く病に倒れ動けない状態に。

2020年リスケの実行とコロナ

2020年リスケが実行され月々返済を利息のみとしてもらい、経営状況の改善まで返済をストップしました。ただ新たな借り入れはできません。運転資金枯渇問題が大きく肩にのしかかります。
そんな中、世の中はコロナ過により緊急事態宣言。売り上げも全く伸びない状況になりました。棚ぼたでラッキーなことに落ちた売り上げをカバーできる助成金が始まったのです。この年の運転資金のメドがつきました。
収穫量も確保できなんとか来年につなげることができました。

2021年ここまで

あらたな助成金がほぼ無いこと、売り上げが落ち込んでいること。ここでワイナリー運営計画の変更となりました。規模を縮小することとしたのです。
ブドウ畑を半分にすることにしました。自分一人で畑の管理できるギリギリの2ヘクタールにすることにしました。アルバイトスタッフには申し訳なかったのですが、ここから一人で経運営することにしました。

まだまだ問題は山積みなのですが、一人になったことで不思議と楽な気持にまりました。今年は資金繰りのプレッシャーもなく、病に倒れることもなく。それでも一人で難しいところは外注に。世の中コロナ過でペースがゆったりとしていますし、自分のペースを取り戻すことができました。現在順調にリブート中です。

次回「2021年再スタート。目標の再設定」お楽しみに!!

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