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大河ドラマ『光る君へ』(23)「雪の舞うころ」の感想

 大河ドラマ『光る君へ』、藤原実方が登場しないのは仕方ないと諦めていましたが、敦明親王は絶対出るはずですから、登場回を心待ちにしていました。少しネタバレもあります。

長徳年間の道長と一条天皇との関係

 なかなか子に恵まれない一条天皇でした。(年齢から若すぎたのです)
昔の出産は命懸けでしたから、定子が無事脩子内親王を出産したことは、さぞかし嬉しかったでしょう。
 長徳の変さえなければもっと励まし、豪勢な産養も執り行えたはずです。
 東宮と娍子の仲睦まじさは羨ましかったことでしょう。

 さて、ドラマをはじめからご覧の方はご存じの通り、実はこの頃の円融系の皇族は一条天皇しかいませんでした。

 一方で冷泉系は、冷泉院は存命ですし、居貞親王には為尊親王と敦道親王の二人の弟宮がいます。さらに居貞親王はあと三人皇子を授かります。後継者については盤石でした。

 公家にとってはよいのですが、左大臣藤原道長は、冷泉系に皇統が移ってしまうと、血縁関係が遠くなってしまうので、影響力も弱くなり、困ったことになります。

 居貞親王の母で、道長の姉超子は亡くなっており、居貞親王の妃たちも道長とは遠縁です。綏子は道長の異母兄弟ですが、東宮から疎まれ、里邸に下がっています。

 一条天皇も居貞親王と同じ姉の子(甥)ですが、一条天皇の母東三条殿の女院詮子は、存命で発言力があり、弟の道長に好意的です。
 だから、病弱でもあった一条天皇に何かある前に、皇子が生まれることが望まれました。詮子だって我が子で皇統が途絶えては困ります。
 でも、道長の娘彰子はまだ幼い。
 中関白家がまた再興するのはめんどくさい。
 そこで、やむを得なくも、元子と義子を入内させました。

東宮の野望

 東宮としては、一条天皇に皇子がいない方が、すぐに敦明王に東宮の位を譲れるし、よかったのですよね。

 ドラマでは、東宮が安倍晴明に相談しているシーンがありましたね。
 「中宮」が皇子を産む。
 これからの展開を知っているので、「中宮」の意味するところはとても気になります。

 このドラマの恒例で、野望を抱いては、破れていく方々が幾人もいたので、東宮もそうなってしまうのだろうかと・・・。

 また、敦明王も父東宮の大望に振り回されてしまうのだろうかとも。


越前のこと

 ドラマではとうとう宣孝が、まひろにプロポーズしましたね。
 紫式部の歌集から、越前の暮らしになじんでいなかったと考えられていたようですが、都と打って変わり、初めて知る多くのものに、キラキラして魅力的でした。
 ここでの経験もきっとのちのちの執筆におおいに役に立つのでしょうか。
 しかし、越前でも朝廷でも、権謀が渦巻きます。


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