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あまり話題にのぼらない人たち

 日本では、インドといえばこの人! みたいにあげられる人たちが、現地(南インド)ではほとんど話題にのぼらないので、よく不思議に思う。それはブッダ、ガンジー、アマルティア・センの三人。

 仏教って本当に見かけない。10何年いて、とにかく今の今までローカルな仏教徒にあったことがない。北に行けばいるのか? デリー、ムンバイ、グジャラート、自分が行った先を思い出してみるが、お寺とかお坊さんとか、とにかく出会ってない。世界三大宗教の一つに数えられているのに、ほぼ発祥国(あるいはネパール?)で、ここまで影響を感じないっていうのが謎めいている。

 多数派のヒンドゥからすると、仏教はヴェーダを否定しているのでね、という線の引き方もある感じ。

 ガンジーはもう少し話題にはなる。でもいつもいつも賞賛されているかっていうと、そうでない。どっちかというと、やや引き気味の評価が多い。彼のせいで、パキスタンと分離してしまった、というような。あと非暴力という概念の理解の仕方が、あんま伝統的じゃないらしい。

 アマルティア・センだと、もう、それって誰ですか? の領域。何人かの日本人から開発経済学のアマルティア・セン、という言葉を聞いたけど、誰も何も話してない、こっちでは。これは、たぶん私に、開発経済学に関わる知り合いがいるっていうだけかもしれない。彼らの中では、という話なのかも。ちなみに、インドで開発経済をやっているっていう人にもあったことない。っていうか、社会科学をやっている人たちがあんまりいない。大学の学部にも見かけない。

 モディの第二次政権について、アマルティア・センに話を聞きました――みたいな特集コーナーがテレビで放映されていたのを見かけて、識者という扱いは受けているんだ、っていうのはわかったぐらい。ノーベル賞受賞しているんだけどね。

 そういうもんなんですかね。そうなんでしょう。

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