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米大統領へのおもてなし

 トランプ大統領が来日して云々のニュースをちら見した。
 ゴルフですか、お昼にダブルチーズバーガーですか、夜は炉辺焼きですか。お客様に対するおもてなしとしては気を使ってあって、好印象ではある。たしかに。

 それでも、なんか胸がひりっとするんだけど。なんというか、今までにあちらこちらで体験した、ぺこぺこした感じがやっぱりあって、これが刺さる。

 だって、あちこちでみんな、それぞれにやってんだもん。同じようなことを。

 これに輪をかけるように、というかペコペコの背景らしきもの、すべからく欧米風が正統であるという発想。あと、順位をつくってそれを内在化してしまうとこ。

 令和の言葉は万葉集からだっていうけど、漢字は中国からなんで、そこは認めるしかない。

 私はそれよりも、国賓をもてなすのにフランス料理っていうのについていけてない。迎賓館が欧米風(中は知らないけど、外目はそう)なのについていけてない。漢字は中国からだから中国の古典をあたるっていうのは、それなりにもっともな気がするんだけど。

 そうであっても、あえて元号は万葉集から。でもそれ以上に、欧米風の建築やお料理なんかのほうが、流れのないところに、いきなり、の感が強いんだけど。明治の、文明開化の発想がしっかりと残っているようで、刺さる。

 日本に来てフランス料理を食べたいって人、いるのかどうか。すごくおいしいのかもしれないし、無難だからっていうのもあるかもしれないが。わかりやすいのは本来、現地の和食か、客人のローカルフードか、どっちかじゃない?

 そういえば、食卓でナイフを、何十年も手にしていない。お箸か、スプーンか、右手、で食べます。食卓でナイフなんて、という意識さえ、あるのだ。え、牛肉なんて、という意識だってある。欧米風の文化と「正統」をずらしてながめる見方、力がある国と「権威」をぴったりくっつけない人たちは存在する。


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