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アラサー婚活女子と一度きりの男たち①

今回からは、一度はデートに至ったものの、ハマらなかった人たちのお話。
一度きり、というのは決して変な意味ではありません。

今回は高学歴な男性のお話です。

京大の院を修了している理系男子とマッチングしました。
《京大》さんと呼んでおきます。

何通かメッセージのやり取りをしてすぐ、お会いすることになりました。
それまで夜のデートは避けていましたが、
わたしの都合がつかず、やむなく夜のごはんのお約束。
《京大》さんは一日予定がないとのことで、わたしの時間に合わせてもらいました。

特別な用事のときにしか着ないワンピースを着て、
昼間は友だちとコンサートを聴きにいき、
その足で待ち合わせ場所へ向かいます。

少し早く着き、緊張して待つこと5分。

それらしい人影が見えたとき、
「この人じゃありませんように」と願ってしまったほど、
何の気遣いも感じられない装いで登場した《京大》さん。
特に印象を悪くしたのは、底が剥がれかけたぼろぼろの靴でした。

第一印象はやっぱり大事

と強く思いました。

そのままの俺を見てくれ、というタイプなのでしょうか。

夕方まで予定がなかったのなら、デートのための服装のひとつくらい、用意できないものでしょうか。
清潔感が感じられません。

顔を合わせて10秒、すでにわたしの中では
「次はない」案件となっていますが、
せっかく時間を割いているわけですから、
この日は《京大》さんと向き合うことにします。

さて、《京大》さんからお店の提案です。

トリキでいいですか?


サイゼリヤぶりの安上がりだな!!

《京大》さんも研究職でそれなりに稼いでいるとプロフィールでわかっていたのですが、
そこそこ稼いでいる男はみんなケチなのでしょうか。
そして、わたしのプロフィールを読んでいれば、わたしがお酒を飲まないこともわかるはずなのに、なぜ飲み屋なんだ!

などともやもや思いつつ、
次はないことが確定しているので
「トリキ《で》いいです」と答えて鳥貴族のお店へ(デジャブ)。
トリキだったらこのワンピースじゃなくて良かったな……。

わたし自身、旧帝大を出ている、いわゆる「高学歴」の部類です。
大学の友だちから聞く話は、専門外であってもおもしろいものばかりでした。

頭のいい人の話は、たいてい、おもしろい。

《京大》さんからもきっと、おもしろい話が聞けるだろうと思っていました。

しかし、《京大》さんから出てくる話は、少しもおもしろいと感じられないのです。
難しい話を難しいまま話してくるからか、
どうも上から目線に感じてしまい、ストレスが溜まります。

ああ、知らない人におもしろく伝える努力をしないんだな、この人は。

それでも懸命に相槌を打つわたし。
虚しい時間です。

しかし、わたしの話を聞くとき、《京大》さんはまるで興味がなさそう。
歩み寄ってくれる気配をまったく感じません。

「研究の話、難しいって言われませんか?」と聞いてみますと、
「そんなに難しい話じゃないでしょう」
……
いやいや、わたしが難しく感じる話は、たいていの人には難しいはずですよ。

この人の婚活は難航するだろうなあ、と思いました。
プロフィールの条件がいいだけに、一回目のデートまではこぎつけるでしょう。

ただ、
・見た目の第一印象
・お店選びの気遣い
・会話のマッチング

などを評価すると、2回目につなげるのは難しそうだと感じます。

その後の恋愛を想像させるような会話はひとつもないまま、その日のデートは終了しました。


帰りは数百円のバス代がもったいないということで、5kmの道を歩いて帰るという《京大》さん。
靴がぼろぼろなのはそのせいだったのでしょうか。
しかしその価値観にも共感できませんでした。

やっぱりケチなのかな。

と思っていたら、奢ってはくれたので、《サイゼ野郎》よりは幾分かまともだったのかもしれません。

お礼のメッセージだけは送り、そのままフェードアウトとなりました。

《京大》編 完


高学歴男子とのマッチングは何度かありましたが、こちらからのフェードアウトは《京大》さんだけでした。

マッチングした高学歴さんはさわやかで気遣い上手な人が多かったのですが、
《京大》さんは学があるだけ、という印象。

わたしも学歴があるだけに、話し方には特に気をつけようと思った回でした。

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