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結局、誠実になるしかないんか?

 ヤダヤダ!自分だけ楽して得して生きてたい!咎められない環境なら何してもいいじゃん!私を虐めたあいつが裁かれもせず今も悠々と暮らしてるのに、私だけ誠実でいなきゃいけないなんて嫌!幸せになるのに誠実性が必要だなんて、そんなの嘘に決まってる!だって、あいつが野垂れ死んでないじゃん!!!!!

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「より良い人間になりたい」とたびたびnoteで書いているけど、私の本心はこれだった。「誠実は負け、狡猾が勝ち」だと心の奥底では思っていた。だってあいつが野垂れ死んでないのに、なんで私だけ、そんなの損だ!って。

 でも、あいつの心の中はどうなっているか分からない。自分に誇りが持てない生き方がどれだけ苦しいか。他者を見下す癖が人一倍強かったあいつは、いつも不安だったのだろう。「俺は違う」と常に言わなければ心を保てない状態だったのだ。

 私が心理学を勉強して知ったのは、「自分を100%棚上げできる人はかなり少ない」ということ。他者を見下す癖がある人は、大抵の場合、自分のことも見下している。「脳は主語を理解できない」とはよく言われていることだ。「あいつはバカ」と言えば、脳は「あいつは」を認識できず、自分で自分に「バカ」と言ったように認識してしまうらしい。

 似たような話でいうと、「うつは甘え。病気じゃない」と言っている人ほどうつになる。生きていれば誰だって心の調子が悪くなる時はあるが、そういう場面で「抑うつ状態にある自分」を認められず、セルフケアをしないためそのまま症状が悪化してしまうのだ。 

 ムカつくことに、あいつは私より金銭的に恵まれている。だが、精神的には私の方が平穏に暮らせているだろう。誠実は負けなんかじゃない。お互いに誠実でいられるパートナーを見つけたい。だから私は、やっぱり「より良い人間になる」ことをやめられないのだ。


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