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りんご就農の記録

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りんご就農して考えたことなど
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#りんご畑

新規就農者にいちばん必要なものは”技術”ではないかもしれない

私はりんご畑を管理し始めて3年目のペーペー生産者です。背が低く、筋肉もなく、免許はオートマ限定。自己紹介をする時は「農家です。」とは言わないようにしています。自分以外の誰かがそう認識したり言ったりするのはかまいませんが、正直ムズムズしている自分がいます。 「農業は、技術がないとやっていけないよ。」100万回聞いた台詞です。いろんなところで口すっぱく言われます。しかし、”技術”って言われても、どうもしっくりこない自分がいました。そもそも技術って何なのでしょうか。 とりあえず

【後編】りんごとのこれから〜新規就農して考えた「青森りんご」のアイデンティティのこと

前編、中編は公開中です。こちらをご覧ください。 では、第3部に移ります。「青森りんご」について考えてみました。 青森のりんごの歴史を考えると、こんな感じかなと思います。本来相入れないはずの「質」と「量」を人の技術や熱い想い、販売戦略など、いろんな手法でカバーし、この2つを支えてきたという感じかなと捉えています。 一方、ごく最近の青森りんごのトレンドは何か。私も先日、車座ミーティングみたいなものに参加したのですが、「りんごと健康」をピックアップしていきたいようです。個人的に

【中編】りんごとのこれから〜新規就農して考えた「青森りんご」のアイデンティティのこと

前編は公開中です。こちらをご覧ください。 ということで、第2部のりんごで会社を起こしてみて感じたことについて次にお話ししていきたいと思います。 まずは会社概要です。よく聞かれるのがこのRidunという名前。読み方がリドゥンではなくリズンなんですね。わかりにくいのでやめときゃよかったなぁと反省しています笑 どういう意味かというと、Rは「りんご」のローマ字の頭文字。後ろのidunについては、北欧とかそっちのほうの女神さまのお名前です。りんごの女神さまだそうです。りんご産業は男

【前編】りんごとのこれから〜新規就農して考えた「青森りんご」のアイデンティティのこと

みなさんこんにちは。永井温子と言います。青森県弘前市でりんご畑を運営しています。今日は私が畑にいないので、スタッフの皆さんは、まったりめに仕事をしているんじゃないかと思います。ちなみに私が畑にいるときは、休憩を切り上げようとしているスタッフさんに対し、「え、もう休憩おわりですか?」と言うなど、余計にまったりになるので仕事が進まないような状況だったりします。 ということで、本日は「りんごとのこれから」と題し、私が抱えている悩みをみなさんへお伝えし、みなさんに答えを出していただ

虹と共に走る。

5時に起き、6時から農薬散布。眠かった…。死ぬ気で起きました。 周りもまだそんなに作業を開始していない時間帯にちゃちゃっと散布。 なんとしてでも虹の写真を撮りたくて、がんばりました。スプレーヤーの右上に虹がかかっているのが見えますでしょうか? 虹を作りながら、虹と共にりんご畑を走る。 本日散布したのは、「殺菌剤」でした。黒星病という、りんごの天敵である病気の防除のために実施します。 また10日後くらいには薬剤散布がありますので、徐々に私も運転できるように練習していき

りんご畑でスピードスプレーヤーを乗り回すのは楽しい。

楽しくなってきました。クラッチとかよく分からなかったけど、なんとか運転できるようになってきました。 乗るようになって知ったのは、スプレーヤーを運転していると、虹と併走できるということ。きれい。 運転しながら撮影はちょっと難しいので、写真はありません…(今度Goproつけながらやってみようかな。) 花もこんなに膨らんできました。もう少しで咲いてくれるのではないかと。 作業は夕方までかかりました。明日は5時出発で畑へ。でも、その作業のあとはお休みする予定なので、もう一踏ん

風って怖い。りんご畑で物置として使っていたサイクルハウスが飛ばされてました…。

お隣の畑の柵をなぎ倒してしまった…。風なめてました。 これは何かというと、物置として使っているサイクルハウスです。2020年4月にりんご畑を始めたのですが、農機具などを入れておく場所がなかったために購入設置しました。 ちゃんとペグは打っていたのですが、想定以上に風が強く、飛ばされてしまったようです。 畑に来たとき、「なんかいつもと景色が違うな〜。」と思ったら物置が消えてました。 「え…全部雨ざらしじゃん…。待って待って、物置どこ行った?盗まれた?」 そんなことを考え

りんご畑のための、肥料だらけです。

肥料肥料肥料。 小屋の床が落ちないとよいが。 4月中に、これらの肥料を畑に撒きまくる予定です。小屋の掃除もしたいし、残りの枝片付けもしないといけない。まだまだやることは山積みですが、だいぶ気持ちは楽になってきました。 少しずつ進んでいる実感があるからかもしれません。やってみないと分からなかった課題を、もう少し面白い楽しく越えて行きたいなぁ。 今日、りんごジュースを納品したところでいただきました。バニラアイスと小豆ってどうしてこんなに合うのか〜。アイスが美味しい季節にな

竿を使い、りんごの木に丁寧に農薬をかけるサムライ。

5時20分にたまたま目が覚め、なんとか6時集合に間に合った永井です。畑についたタイミングで、第二の師匠からの電話を受けました。セーフ。 朝から豪快なサムライ。スプレーヤーは本当にすごいなぁ。 スプレーヤーではしっかりかけることが難しい箇所は、竿を使って丁寧に散布します。津軽弁で言えば、「までに」散布してもらいました。勉強勉強。 上からのショットも。この段階で朝7時半頃かな。我ながら、頑張った。見学しただけだけど。 「いやぁ、このくらいで疲れてしまって、やっぱり年だなぁ

今シーズン1回目の薬剤散布を実施しました。

体力の限界。(なみだぽろぽろ) 流石に今日は疲れてしまいました…。朝7時には家を出て、慣れない薬剤散布の作業をこなし、しかも終わったのは18時。 でも薬剤散布日和で最高でした!色々あったのですが、今日はほんとうに疲れてしまったので、また別の機会に記事にしたいと思います。 そして、明日の朝は畑に5時半に集合⭐︎ いやー!笑 でも、仕方ありません。今回だけ、勉強のために早起き。(それが終わったら次の用事まで車とかで寝よう。)もう少し、自分に鞭打って頑張ります。

こんなにぱっくり穴が開いていても、りんごの木は実をつけるんですね。

「わっ。すかすかじゃん。」 でも、実をつける。りんごは強いなぁ。 ぱっと見、ちょっとお化けみたいで怖いような気もする。 こんなに穴が。ここに、鳥とかも来るのかしら。もし来たら、撮影してみなさまへもシェアしたいと思います。以前、卵がある鳥の巣をりんご畑で見つけたことがあるのですが、悲しいことに次の日にはもう卵はなく…。どうやらヘビとかの仕業らしいです。自然は厳しい。 4/15あたりで1回目の薬剤散布が始まります。本当はそれまでに剪定を終えたかったのですが、ちょっと難しそ

「腐らん病」はりんごで本当に気をつけなきゃいけない病気です

「腐らん病(ふらんびょう)」はりんご栽培において本当に怖い病気だなと感じています。病気が枝や幹にぐるっと回ると、その先は死んでしまうのです。怖い怖い。 わかりやすいサイトがあったので、リンクを貼っておきます。 昨日畑を見回っていて見つけたものをご紹介。 こんな風に、ハサミなどで皮をはぐと、鮮やかな茶色でボロボロになってしまいます。そして、独特のアルコール臭がして、夏なんかは特に臭いです。うえーってなります。 枝に対して垂直にぐるっと確認したところ、もう全部「腐らん病」

りんご農家にとって「猫車」は心強い味方

「猫車?」 名前は全く聞いたことがありませんでしたが、購入して使ってみるととても心強いです。 一般的な「猫車」は以下のようなもの。皆さん見たことがあるんじゃないでしょうか。 コメリのページから画像を拝借しました。 ホームセンターへ身に行き、アルミ製のものが軽くて使いやすかったので購入しました。 黒い部分は自分で付けました。今回の枝片付けの作業だけでなく、収穫時期も使えるんじゃなかろうかと思っての判断でこちらを購入。ただ、使ってみると底が深いやつの方が良かったかもなー

4月上旬のりんご畑では枝と向き合う

りんごの収穫が終わるのが大体12月中旬。雪の中でもっと熟させる農家さんもいらっしゃいますが、大半の農家さんはそのくらいには終えます。収穫の時期は8〜12月と、品種によって様々です。 そのあと農家さんは冬に何をしているのか。個別にクライアントを抱えている農家さんは「発送作業」に追われていたりしています。 それも終わると、そろそろ「剪定」の時期。畑の大きさにもよるでしょうが、1月くらいにはスタートするようです。農薬散布を始める4月中旬までには終わらせておくのが大事らしいです。