パチスロ半グレ隊 池ちゃん
池ヶ谷終一こと池ちゃんが彼女の岩神弘恵というおばさんとパチンコ『ハムウェイ』に現れたのは午後四時頃だった。池ちゃんが最高のテクニックで急カーブを曲がって、ここにたどり着いた。口をとがらせて「思ったよりも早く着いたな」と言って屁をこく池ちゃんを横目におばさんはシートベルトを外し、車を出た。
「今日は絶対に『かがみもちRUSH』に突入したい!オホホ………」とおばさんは言い放った。
おばさんは仁王立ちで池ちゃんが降りてくるのを待った。しかし、池ちゃんが出てこない。
十二分後、池ちゃんは妙にスッキリとした顔で出て来た。おばさんが、
「今日は、『かがみもちRUSH』で、万枚突破致しますので、オホホホ」
と宣言した。池ちゃんはアップルパイを食べながら短足のガニ股でパチンコ屋の入口に向かった。池ちゃんは所持金が三千円だった。
「今日はみそラーメンの大盛りを食べたいから、パチンコ代は二千円まで……いや、全部使おうかな………エロ本も五冊欲しいし……心臓病だから医療費も残さないと……残さなくても良いかもな。今日はケーキとウインナーも食べたいけどね……」
池ちゃんは独り言をつぶやき始めた。
「お、おい!……池ちゃん?これ池ちゃん?」と池ちゃんは意味の分からない事を言い出し、「いいとも!!」と口走った。
おばさんは屁をして振り向きもせず帰った。
イ〜ケちゃん、ナハッ、ナハッ。グッスン!!と池ちゃんは言った。
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