「エチオピア絵日記」 松枝 張著 岩波新書(1976年初版)
約50年前の新書で、当時の定価は280円。1974年の革命(軍事クーデター)以前、ハイレセラシエ一世の絶対君主制下のエチオピア帝国に著者が2年間滞在した時の「思い出を墨絵に托して(はじめに)」のべられている。
本書のI~Vの5つの章のうちの「V エチオピア疾病考」と「はじめに」「あとがき」以外すべての逸話には著者による墨絵が付されていて、その数は107点に及ぶ。本のどこを開いてもほぼ必ず描かれている一見拙く見える墨絵は、どれも著者の心象を豊かに表わす「画の方が何よりもそ