誰も私を知らない。

自分の存在を、自ら声を上げなければ、誰も私を知ることはない。
今までの繋がり、伝手、人との繋がりで生きてきた。
ここまで来れたこと、我ながら自分を褒めたいと思う。
よくやったよ。
何も無いところから、誰も知らない大都会で、ただの生意気で無知な小娘が偶然の出会いの重なりで、運だけを味方に流れ流れてよく生き延びたよ。

約10年続けて来れた仕事。
本当に沢山の人たちが繋がり、沢山の仕事を頂き、全て受けていた。
ある時までは、何とかやりくりして来た。
ある時までは、来た仕事頂いた仕事を、来た順に、スケジュール空きを埋めるように、やって来た。
色んな仕事を並行してやって行くにつれて、自分の中に優先順位、優先したい仕事が出て来た。
それは、徐々に始まっていた。
単純に人の手伝いは優先出来なくなり、スケジュールが埋まってる順だったものも、愛情がある仕事、愛情を注ぎたい仕事、金額や好き嫌い、今までの繋がり、初期からの長年の仕事相手、沢山の比較と物理的都合、様々な感情を考えながら仕事を選ばなければいけなくなって来た。
パンク寸前。

単純に、シフトを埋めるように、コマを動かすように、仕事が出来なくなった。
自分のやりたい事、費やしたいものを選ぶ事がいいのか悪いのか、悩んだ。
自分の欲望に抗えず、私は私の選びたいもの、優先したいもの、愛を注ぎたいものを選んだ。
好きなものしか愛せない。素直でもあるが断然不器用だ。

それと、ずっとここにいたい?
とは、じわじわと積み重ねてはいた。
潜在的に、ずっとこのままの生活を仕事の仕方をする?と。

そんなに器用に、上手に生きられる人間ではなかった。
仕方がなかった。今となってはそうとしか言えない。
それは、同時に失うものもあり、自分で決めた決断だった。

そしたら、全てが完全に止まった。
選んだものも、選ばなかったものも、どちらからも選ばれなくなった。
好きなものを選んだ私は、空っぽになった。

結構な時間が過ぎた。
やりたいことはやった。やり切ったのかもしれない。
もうここが山頂で、しばらく休み、終わろうかと思いながら過ごした。
これまでの10年の仕事と人々。
選んできた事に、後悔はない。未練もない。やるだけのことはやった。

それならば、ここからの10年は今までじゃない場所に行けばいいんじゃないか。
その為の、苦しい選択だったんじゃないか。

私の座右の銘。
捨てる神あれば拾う神あり。

今までの場所が無くなり、声が掛からなくなったのは、自らの選択の結果であり、選んだ道だ。
何も終わってない。終わったのは過去の話だ。

声を上げなければ誰も気づかない。
私は、新たな新大陸に降り立ったのか。
山頂ではなく一つの大陸を一周しただけだったのかもしれない。

新しい土地に移住したら、誰だって友達はいない。
今の私はそれか。
ずっと、友達できないな、と思って引きこもっていたのか。
前の場所には友達沢山いたけど、そこから変わろうと思ったんだ。

声を上げなければ、誰も私に気づかない。
誰も私を知らないから。
知らないだけだから。
次のへの進み方、歩き方は、自分の気持ちと時が合わないと分からなかったりする。

この新大陸で生き直せるかなんて分からない。
でも、とりあえずは、初めまして、この大陸に引っ越して来ましたって挨拶回りには行かないと私の存在はいないものと同じなんだ。

とりあえず、挨拶回りします。

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