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先輩から引き継いだ案件は難しい

この前、ドイツの働き方に関する記事を書きましたが、ドイツ社会においてお客さんは「営業担当という個人」ではなく「会社」につくそうです。

それにより、「君にお願いしたいんだ」と社外の人に指名されることがないのは少し寂しい気もします。

しかし、営業担当という個人に依存しすぎるのも問題で、担当が変わることが難しいという側面があります。

とくにベンチャー系の企業は出世や人事異動のサイクルが早いため、担当変更が多く問題になりやすい。私が勤務していた会社でもこんなことがありました。

AさんがX社という新規取引先を開拓。ところが、X社からの売上金額が軌道に乗り出した一年後にAさんは出世をして、現場を離れることになりました。そして、営業担当は新人のBさんに引き継ぐことに。

ここで、Bさんが置かれる立場はとても厳しいものです。

売上金額を継続したとしても“Aさんのおかげ”となってしまい、ちょっと売上金額が落ちようものなら、“Bさんが使えないからだ”という風潮が出るからです。

X社から刺しが入ると尚更、状況は悪くなります。

X社の担当は、Bさんの仕事ぶりをAさんと比較し、「Aさんは○○してくれたのに……」と思う。そこで、Aさんに「最近Bさんが○○でダメだから、営業担当をAさんに戻してくれない?」と電話。

AさんがBさんに「自分の時は○○してたのに」なんて注意をしては、Bさんのモチベーションは下がり、「自分だって好きで、X社の担当をしている訳じゃない」と言い出し、もう誰も幸せになりません。

そこで今回、Bさんが腐らない方法を考えました。

人の記憶は美化されるもの、と心得る

Aさんが担当している時も、X社から指摘を受けてきたはずです。それが時間と共に改善された結果、「Aさんはよかった」という感想になるのです。

人の記憶は曖昧で「昔はよかった」と思い出は美化されていくもの。

Bさんも最初はAさんと比べられてきついかもしれませんが、X社のために誠意を持って対応していくことで、次のCさんに引き継いだときには「Bさんは良かった」と思ってもらえるはずです。

結果だけ気にする

Aさんの力で開拓したクライアントだからと言って、今の営業担当は自分。

継続でも何でも結果として「自分の売上がある」ことを誇らしく思うことが大切です。むしろ、「Aさん引き継いでくれてありがとう」ずる賢くいきましょう。

会社が繁栄していく上で欠かせない、引き継ぎ。引き継いだ当初から、前任者以上の力を発揮できるスーパーマンは、なかなかいません。

仕事を振る側の上司には、「引継ぎ案件の難しさ」を理解し、マメに様子を見てサポートしたりすることが求められるのかなと思いました。

読んでいただきありがとうございます! サポート頂けたら、とっても嬉しいです。よろしくお願いします。