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佐藤くんにしかできない

後輩の佐藤くん(仮名)。

あんなにも患者さんの話引き出すの、
佐藤くんにしかできひん。


佐藤くんには自分軸がある。自分を持っている。
ちょっとやそっとでは動じない。

同じ職場で佐藤くんが入職時から、付かず離れず僕は佐藤くんを見守っている(自称)。
経験を重ねてそれなりのポジションになってきた佐藤くん。僕は頼もしいと思っている。

気の置けない佐藤くん。

他の療法士の担当患者さんにフォローでリハビリ介入する佐藤くん。

決して機嫌が悪いわけではないけど口数は少なめの患者さんに、佐藤くんがフォローで介入し、声をかける。

佐藤「大丈夫ですか?」

患者「…」

佐藤「起きられますか?」

患者「…」

患者さんは自分でベッドから起き上がるが、佐藤くんの声かけに対して明確な返事はしない。

(あぁ… 佐藤くんがんばれー)
自分の患者さんに介入しながら遠めに見ている僕。


しばらく目を離して再度佐藤くんの方に目を遣ると、

佐藤「そんなおっきいんですか?」
患者「そう。だから手伝ってもらわな上げられんかったのよ」
佐藤「ふはははは。それやったら僕には無理ですわ」
患者「分けてあげるよ」
佐藤「いやぁーいいですいいです!要りませんわ!」

いや分けてもらえ。

何の話かは全然分からんけど。
何を分けてあげるだの要りませんだのかは分からんけど。

でも盛り上がってるんだな。
すげー盛り上がってる。
佐藤くんすごい。口数少ない患者さん。僕が介入した時はほとんど話さないよ。

引き出すわー

あんなにも患者さんの話引き出すの、
佐藤くんにしかできひん。


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不定期で後輩の佐藤くんのエピソードを書く。佐藤が読んで、やめてほしいと言われたらやめる。