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ちゅんちゅんワールド

近所にスズメの集まる場所がある。エサ場があるからだ。エサ場と思しき敷地前の道路には、スズメがエサの撒かれるのを待って群れを成す。頭上の電線にもスズメが一列横隊を成す。リアル「ちゅんちゅんワールド」である。

エサ場の主はスズメのみを対象としているつもりかも知れないが、当然、自然界は人間の意図とは関係なく動いてくる。

カラスやトンビもエサを狙って集まる。数としては「スズメ>カラス>トンビ」である。カラスが登場したらスズメが逃げ、トンビが登場したらスズメとカラスが逃げるのかと思いきや、そうではない。

スズメは逃げない。心なしか、トンビがスズメを攻撃することはない。あまりにか弱い為、トンビの脅威ではもはやないのかも知れない。エサの捕り方も共存が図られている様子である。

一方、カラスはトンビを警戒する。カラスが先にエサ場にいてトンビが後から来た場合、一旦カラスは退避して遠めに様子をうかがっている。カラスは隙を見てエサ場に攻撃を仕掛ける。邪魔されたトンビはカラスを追い回し、数百メートル飛んだところでまたエサ場に戻ってくる。カラスは数百メートル先で舌打ちをしている。体格はトンビがやや勝るものの、スペックや知力で対抗できるカラスはトンビが認める競合他社なのかもしれない。

大量のスズメたちは、彼らの争いを意に介さず、今日も元気にちゅんちゅんやっている。その辺にフンを落としながら。

だから何だということなんですが。