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重要な情報を取りこぼすな!

その他大勢の「そんなに重要でない情報」の中に「重要な情報」は埋もれている。患者さんのカルテを読み込んだり、資料を読み込んだりするときは、取り敢えず文字の羅列をざーっと目で追っていき、重要と思しき箇所をじっくり読むようにしていた。

こんな読み方は、小説では向かないけどビジネス書などでは要旨が分かればいいのだとばかりに多用していた。「オレは速読ができる」。そんなわけのないことをちょっとだけ本当に思っていた。

そんなことをずっと繰り返してきたので、「自分はある程度情報処理能力が高い」という、いうほどそんなになんだけど全く見当外れでもないし表立ってひけらかしてる訳でもないから誰も指摘できない、自己満が過ぎるメタ認知ゾーンに入っていた。きっと人から指摘を受けるのが怖かったのだろう。それでも目立ったエラーは生じることなくやり過ごせていたから、「これでOK」という気持ちが補強されていった。中堅にありがちな、たまたま上手くいった経験則の蓄積を武器に生きているタイプだ。当人は「たまたま上手くいった」ことに気付かず、上手くいった結果が自分の実力に他ならないと思っている。僕、そんなタイプ。


さあ、そしてここ最近、重要な情報を取りこぼしがちだ。しっかり読み込めば書いてあるのに、自分で調べる前に後輩に聞く。

「確かあそこに書いてたと思いますよ」

「え?あ、ごめん」

よくよく調べる前に人に、しかも後輩に教えてもらう。いつでも誰でも確認ができるようにマニュアルが存在するのに、自分でまずマニュアルに立ち返る労を取る前に人に聞く、巨人の肩の上に立たない、人の時間を奪う人。

それが僕?

まさか。

目立ったエラーなくやり過ごしてたけど、そうはいかなくなってきた。

いよいよ僕は「働かないおじさん」になるのか?





イヤーーーー!!!