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ロボット芝刈り機

県立図書館の中庭をロボット芝刈り機が走っていた。家庭用お掃除ロボット「ルンバ」の屋外版みたいな感じ。ゆっくりと、隅々まで刈りながら動いている。段差やベンチなどに当たったら方向を変えて進む。大きめの幼稚園の園庭ぐらいの広さがある中庭を、ウッドデッキの通路や植栽がある中、ムラなく刈り込みができている。朝から夕方まで稼動させたらちょうどきれいに終わるんだろう。

じっと見ていると健気に見えてくる。本人の意志とは無関係に同じ速さで進み続け、本人の意志とは無関係に方向を変えさせられる。すべてプログラムで仕組まれたことだ。ところがどうだ。仕組まれたことであるにも関わらず、愚痴のひとつもこぼさず、こいつは歩みを止めない。愚痴をこぼさない代わりに、疲れたら充電ポートへ自分で自分を差し込みに戻る。手を焼かせない。健気だ。

ビックリマークを敢えて付ける必要がないのに「実演中!!」と2個も付いているのは、こいつが応援の気持ちを誘うからだろう。こいつにはファンになってもらう素養が備わっている。最も身近でかつ生まれて最初に付いてくれるファンが、自分の生みの親である"製作者"だ。このビックリマーク2個「!!」には製作者の応援の気持ちがこもっている。