薬物依存のお話②

前回、「薬物依存のお話①」として語らせていただきましたが、少々重かったでしょうか・・・

それでも今回も、薬物依存について語ります。今回は、回復に向けた話です。
ご負担でない方はお付き合いください。


悪魔と天使、誰にでもどちらもいるよね

薬物依存の回復にはどういった手段が考えられるでしょうか。

病院…?施設…?とにかく我慢すればいい…?いろいろ出てきますね。

最初に申し上げるのは心苦しくも思うのですが、この薬物依存には「完治」というものはありません。一日一日薬物を使わない日を積み重ねていく…。言わばそんなイメージでしょうか。このイメージを持って読んでいっていただければと思います。

そして、松本(2016)によると、薬物依存症治療は、地域において長く実施すればするほどよい効果が得られるとのことです。

 

今回はまず、施設について。

有名なものとしてDARC(ダルク)が挙げられます。ダルクは1985年に誕生した民間のリハビリテーション施設です。薬物以外にもアルコール等の問題を抱えた人も対象になります。全国に60箇所ほどあります(思ってたより多い!と思ったのは私だけでしょうか?)。ダルクの職員の方も、実はかつて薬物依存だった…そしてそこからの離脱をして今は共に回復するサポートの役を担っている、そういった方が多いです。


施設によって入所(共同生活を行う)や通所(自宅から通う)など色々な関わり方があるようです。そこでの生活は、依存症に悩む人々と寝食を共にし時には畑作業などの仕事を一緒にすることもあります。同じ悩みを持つ仲間との関わりやフェローシップ(仲間とのつながり)の中で回復するための「居場所」「時間」「回復モデル」を提供し、依存症から解放されたい仲間同士によるグループセラピーも行われる(京都DARC HPより)という特徴があります。


そして「自助グループ」というものもあります。自助グループは、同じ問題を抱える人たちで集まり、体験の共有、分かち合いを行います。あくまでも自発的な参加であり、相互扶助と相互支援を行います。もちろん薬物依存を抱える人同士で集まる自助グループもありますし、その家族が集まる自助グループも存在します。自助グループに参加することで、「この問題で悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」と孤独感が少しでも減ったり、「普段話すことができないけどこの場では話ができる」という居場所感や安心感も得られると考えられます。もしかしたら「求めていた情報が得られた!」という離脱・回復のための情報収集の場にもなるかもしれないですね。 

参考・引用文献
京都DARCホームページhttp://www.kyoto-darc.org/darc.html
松本俊彦(2016) よくわかるSMARPPあなたにもできる薬物依存者支援 株式会社金剛出版 第一版

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