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汚牛擺頭? 烏牛擺頭? 臥牛擺頭?

本日の稽古:
・大杆子
・心意六合拳・汚牛擺頭

明日は大事なイベントなので稽古は軽くしておこうと思ったら、こういうときほど新たな発見をしてしまうから困る😅

大杆子站椿は、毎回観るポイントが異なる。
今日は、身体で起こっている「回転」を観つつ行った。

「回転」に着目していると、回転になじむ技が自ずと浮かび上がる。

今日浮かび上がったのは「汚牛擺頭(おぎゅうはいとう)」。

異形の拳・心意六合拳の中でも、一際異形な技だ。

これはそもそも、何をやっているのか?

「頭突き」だ、というのはわかりやすい解釈だが。

私は上海でこの技を「汚牛擺頭」という名で教えられたが、他の教えや資料で「汚牛擺頭」と呼ぶところはない。
他では「烏牛擺頭」とか「臥牛擺頭」と呼んでいる。

私の聞き違いだろうか?とも思ったが、李尊思老師の弟子の李伝郷先生が
「泥まみれの牛が首を振って泥を振り払ってる様子」
と説明されていたので、やはり「汚牛擺頭」で間違いなかろうと思う。

なぜこういう名前の混乱が起こるかというと、中国語の発音の問題だ。

実は中国語だと「汚牛」と「烏牛」は、どちらも「wo1niu2」でまったく同じ発音なのだ。
「臥牛」も「wo4niu2」でかなり似ている。

すると、どうなるか。

「カッコイイ」ほうが採用されるのだ😅

「汚牛」はちょっとカッコ悪いよね…
となってしまう。
技としては「汚牛擺頭」のほうが適切なのだが。

同様のことが、八極拳の有名な技「鉄山靠」でも起こっている。

元来この技は「貼山靠」と呼ばれていたが、いつしか「鉄山靠」と呼ばれるようになった。

中国語で「鉄」は「tie3」、「貼」は「tie1」と発音する。
四声が異なるものの、かなり似ている。

私は八極拳の指導は直接受けてないので「私の考え」としておくが、技としては「貼山靠」と呼ぶほうが適切であると思う。
まさに「貼り付く」ように打つわけだ。

それがなぜ「鉄山靠」に変わったのか?

私の邪推だったらごめんなさい、だが。

「鉄山靠」のほうがカッコイイ…

からではなかろうか😅

余談だけでずいぶん時間を取ってしまったので、今日はここまで。

「汚牛擺頭の本質性」については、また日を改めて書こうと思う。

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