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「三息」〜板橋忍術書勉強会

本日は、板橋で初開催となった忍術書勉強会。
「万川集海」「忍秘伝」を輪読しました。

万川集海の「軍用秘記」は、戦国時代の用兵がいかなるものであったかをリアルに想起させる、大変興味深いものでありました。

本日読んだ中で私が最も興味を惹かれたのは、次の「三息」について説明した一節。

「人は三息を使えば必ず疲労する。初掛りという時は一息を発する。掛る間相(間合い)が遠く速い時はまた一息を使う。戦う時に一息を使う。この三息を使い切れば、完全に疲労する。故に掛る足を静かにし、初と後で二息を使い、一息を残しておくのが良い。鎗合(槍合わせ)の時の一気を鋭に用いる為である。息の見積りは、重々心得ておくべきである」

人間は「三息」を使い切れば必ずバテる。
なんということでしょう。
戦国時代のほうが、今時のブラック企業なぞよりよっぽど働かせ方をわかってる^^;

戦には、都合のいい幻想を認める余地はない。死んだらそれまで、負けたらそれまで。「人間の本質」から外れた希望的観測は、単に負け=死をもたらすだけです。
しかし現代は、この「生死の狭間」との距離が間延びしてしまっている。生死にリアリティを感じていないのではないか。

末端がいかに痛い目に遭おうとも、その痛みがトップに届かない。

まあ、これは現代特有の問題ではないのかもしれない。いつの世にも愚かな指導者はいるものです。
しかし現代には、そのような「指導者の愚かさ」から社会を守るための仕組みが幾重にも用意されているはずではなかったか。

とまれ、まずは気づいた人から動くしかない。

人は、三息を使い切れば完全に疲労する。

これをしっかり牢記して、「息の見積」を常時行なうようにしたいものです。


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