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【注意喚起】とある投資話の手数料がエゲつない件

はじめに

投資勧誘に関する前回の記事では手数料が40%くらいで高いと記載していましたが、これでも過少の見立てでした。

というのもコロナショック後の株価高騰後のシミュレーションだったため、手数料の比率が低めに出ていました。

誤解があるといけないので、今回はコロナショック前の株価がそこまで高水準ではない2019年9月までとしました。
あと手数料がどれくらいになるかをグラフで可視化しました。

前提条件は前回同様です。


前提条件(極めて不利な)

・2000年3月スタートし、19年間運用
・プラン費は毎月7ドル支払
・初期口座管理手数料は時価総額×0.4%を毎月支払(2年間)
・管理手数料は時価総額×0.12%を毎月支払
・信託報酬は時価総額×1%を毎年支払
・クレジットカード手数料は1%とする
・為替手数料は1%とする
・グローバルアロケーションファンドの運用利回りから手数料を除いた分の100%投資家のものになることとする
(実際はマージンみたいなので抜かれる可能性あり)
・グローバルアロケーションファンドはBloomberg Index Ticker(MERGAAI)とする
https://www.bloomberg.co.jp/quote/MERGAAI:LX


19年間運用したシミュレーション結果

投資額合計:11,759,025円
手数料合計:▲4,378,846円
損益:3,258,862円
19年間合計利回り:27.7%
複利(=IRR(内部収益率)):2.3%

グローバルアロケーションファンドの運用利回り自体はそこそこいい
(損益7,637,709円で65.5%の運用利回り)
のですが、間に入っている投資会社の手数料がめちゃくちゃ高いです。
毎年2.44%だけど、手数料も時価総額に連動して指数関数的に増加していくので累計では57.3%もむしり取られる結果になります。

手数料が6割近くって・・・

グラフでも損益の線よりも手数料の線の方が高い水準ですね。

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他のETFとの比較

ちなみに同じ期間で日経平均とS&P500で投資した場合を比較すると差は露骨にでますね。
当然ながら手数料込みの利回りです。

①グローバルアロケーションファンド(某投資会社の手数料差し引き後)
投資額合計:11,759,025円
損益:3,258,862円
19年間合計利回り:27.7%
複利(=IRR(内部収益率)):2.3%

②S&P500 ETF
投資額合計:11,964,632円
損益:18,558,486円
19年間合計利回り:155.1%
複利(=IRR(内部収益率)):9.0%

③日経225ETF
投資額合計:11,683,890円
損益:9,582,213円
19年間合計利回り:82.0%
複利(=IRR(内部収益率)):5.7%

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結論

前回記事よりさらに圧倒的不利さが際立ちました。
当然ながら普通にS&P500のETFを購入している方が圧倒的有利です。

ブラックロックのグローバルアロケーションファンドは全く非がありません。
ファンドオブファンズなだけあって、債権なども組み込んでいるためボラティリティがある程度低減されており、かなり優秀だと思います。
リーマンショック時の下げ幅が小さかったのが特徴的です。
ただ間に入っている投資会社や紹介者などの手数料が高すぎてパフォーマンスが悪くなっているだけです。

あと上記シミュレーションでは手数料以外のマージンみたいなものは一切発生していない([ファンドの収益] - [所定の手数料] の100%を受け取る)ようにしていますが、もしマージンみたいなのが発生するとさらにパフォーマンスは悪化します。

こういった投資話で失敗しないためには日々の学習しかありません。
他人から持ち掛けられた投資話なんてロクなものがないと考えた方が無難です。
投資で成功したいのであれば勉強と実践のみです。

さいごにバフェットの格言を紹介します。

「相談しようと思うとき、私は鏡を見る。」

ツイッター(@nakatsukasa_k)とFacebookもやっていますので、ぜひ感想などお寄せください。

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