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S&P500のETFって本当にリスクが小さいの?ドルコスト平均法で分析してみた②

はじめに

前回記事では2021年2月までの分析を行いましたが、実績PBRが4.1倍、予想PER20倍とある程度の株高なため、運用実績が良く見える傾向にありました。
今回は実績PBRが3.3倍、予想PER17倍と、ほどほどの水準と思われる2019年9月で分析しました。

なお実績PBRでは過去30年間を見ると1.6倍~5.1倍となっています。
予想PERでは過去30年間を見ると11倍~27倍となっています。

予想PERについて、2021年1月末が26倍でしたが、2021年2月で大きく下がりました。
これは企業の業績がワクチンの普及などにより、かなり改善するという見通しが立ったのが大きく影響していると思われます。

S&P500の現時点の適正値はどれくらいかという議論は様々な意見があり、正解といえるものはないと思います。
金利などもある程度影響します。


①リーマンショック前のバブルピークの2007年10月

リーマンショックは2008年9月ですが、その前にサブプライムローン破綻があり、株価は1年くらい前から下がり続けていました。なので株価のピークは2007年10月になります。
なおリーマンショックによるバブル崩壊の大底は2009年3月です。
2018年に2回あったVIXショックが目立ちますね。
前回記事のグラフはコロナショックが大きすぎたため、目立ちませんでした。

投資額合計:7,483,447円
損益:9,248,980円
12年間合計利回り:123.6%
複利(=IRR(内部収益率)):13.2%

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このまま前回記事と同じ2021年2月までの1年5カ月続けると下記結果になります。

投資額合計:8,230,309円
損益:14,530,552円
14年間合計利回り:176.5%
複利(=IRR(内部収益率)):13.2%

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②ドットコムバブル(=ITバブル)絶頂期の2000年3月

ドットコムバブルピーク時からのスタートです。バブル崩壊の大底は2002年10月です。
この後、リーマンショックも迎えますが、③と同じ大底の2009年3月時点では9年間ドルコスト平均法で投資したにもかかわらず、投資総額538万円で損失が174万円というメンタルがえぐられるかなりの地獄を迎えることになります。
その後もマシーンのように続けていると笑いが止まらないような下記結果となります。
老後2,000万円問題まであと少し。

投資額合計:11,964,632円
損益:18,558,486円
20年間合計利回り:155.1%
複利(=IRR(内部収益率)):9.0%

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このまま前回記事と同じ2021年2月までの1年5カ月続けると下記結果になります。

投資額合計:12,711,495円
損益:27,285,391円
21年間合計利回り:214.7%
複利(=IRR(内部収益率)):9.2%

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③SPY上場の1993年2月スタート

今回の分析では最長の投資になります。1993年は日本ではバブル崩壊でえらいことになっていましたが、当時のアメリカでは順調に経済成長を続けていました。
28年もドルコスト平均法で運用していると、下記の通りとんでもない成果になります。
かなり優雅な老後を送れますね。
悲惨な時期で言うと②と同じく大底の2009年3月時点では16年間ドルコスト平均法で投資したにもかかわらず、投資総額957万円で損失が87万円というメンタルがえぐられるかなりの地獄を迎えることになります。

投資額合計:16,138,690円
損益:40,567,375円
27年間合計利回り:251.4%
複利(=IRR(内部収益率)):8.5%

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このまま前回記事と同じ2021年2月までの1年5カ月続けると下記結果になります。

投資額合計:16,885,552円
損益:57,416,613円
28年間合計利回り:340.0%
複利(=IRR(内部収益率)):8.5%

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結論

2021年2月までの運用と比較すると複利は、ほぼほぼ同じですね。
S&P500のETFは長期的に見れば複利は少なくとも8%程度を見込めそうです。

投資はあくまでも自己責任でお願いいたします。

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