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仕事の属人化は悪なのか【研修②】

写真は休日風景です。趣味の剣道を子供と一緒に。

「属人化」と「仕組化」

今回は経営者目線を持って現場で戦う正社員(企業戦士)を育てる社内研修の具体的な進め方になりますが、その前にご質問があります。

皆さんは「仕事は属人的なものだ」という主張と、「仕事は仕組み次第だ」という主張のどちらにより賛同されますか?

前者の言うように、個人の専門性や創造性が革新的なアイデアや問題解決につながることは明らかですが、個人に依存しすぎると、彼らの退職や休暇によって事業の継続性が損なわれるリスクをはらんでいます。

後者の言うように、仕事を仕組化するとサービスの一貫性や生産性の面でメリットがありますが、仕組化に偏りすぎると、創造性や柔軟性が失われ競争力を失う可能性があります。

すっきりした結論が出にくい問題だと思いますが、

  • 同じ仕組みでも社員の質で成果のレベルが異なる

  • 同じ社員でも仕組み次第で活躍のレベルが異なる

  • 人と仕組みは調和している必要がある

というのが真実ではないかと私は思います。

そして社員は経営者の目線を学び、経営者は現場を学び、お互いに歩み寄る事が、人と仕組みの調和には重要ではないかと考えている次第です。

世の中には「社員が経営者目線を持つ必要は無い」という考え方もあるので、回りくどい説明を挟ませて頂きました。

【2024/5/23】最近は独立した意思決定権のある人同士が集まって物事を進めた方が良い気がしていて、勿体ぶって有料記事にしていたのが恥ずかしく思えてきて、無料記事に戻しました。誰も買わなくてよかった。

研修開始の心構え

本題に入る前にもう一つ、いざ社内研修を始めようとしても、部下にやる気が見られない場合について触れたいと思います。「現場は忙しい」「面倒くさい」等々、部下が身構えてしまうケースは結構あります。

こんな時に「お前たちのためにやってるのに!」という怒りが湧く人もいるかも知れませんが、その気持ちはぐっと抑えましょう。これは上司である自分のため、半年後に自分の仕事を快適にするため、と考えて地道に取り組む心構えが大切です。

会社はどうなったら倒産しますか?

第1回の研修会では、必要に応じて各自の自己紹介をした後、上の質問を投げかけます。体感ですが、これを知らないまま仕事をしている人は非常に多いです。代表的な間違った回答の例としては

  • 多額の借金をすると倒産する

  • 赤字になると倒産する

といったものがあります。正解は「現金が底をついたら倒産」ですね。とにかくこれだけは覚えてもらいます。

実際には、借金には倒産を先延ばしにする効果もありますし、意図的に赤字にして税金対策をしている経営者もいます。経営者の行動はサラリーマンの直感に反している事が多いです。

倒産の種類

次に、倒産の手続きにはいくつか種類がありますので、これを解説していきます。これは覚えてもらう目的ではなく、倒産を恐ろしさを感じてもらう事が重要だと考えています。

倒産の種類

インターネット上にはたくさんの情報があるので、JAL(会社更生法)やSKYMARK(民事再生法)のような、具体的な事例も挙げながら説明するのも良いと思います。

損益計算書と貸借対照表

現金の動きを把握するには会計の知識が不可欠です。普段は売上、粗利、営業利益といった用語を使っていても、実はきちんと理解できていないケースも多いものです。これを放置すると、コミュニケーションが食い違う事態になりかねません。

現在の会計の基礎は500年前にベネチアで生まれたとされており、これからもずっと役に立つ知識です。いきなり細かな会計科目まで覚える必要は無いですが、損益計算書や貸借対照表の基本的な用語は最低限の知識として覚えてもらいましょう。

覚えておくべき最低限の会計用語

本記事は会計の解説が目的ではありませんので割愛しますが、以下のような点は、経営者の考え方を理解するための基礎となるため、手厚く説明しておくべきだと思います。

  • 損益計算書において、売上として計上されない収益について

  • 貸借対照表での左右(貸方と借方)と上下(上に行くほど流動的)の意味

私はクイズ形式で理解度を確かめるようにしています。最初は出題するクイズを準備をして臨むと良いかも知れません。会計の背景にある考え方を理解する事で、面白さを感じてくれることが大切だと思います。

さて、このあたりで1時間ぐらい経過していると思います。初回の研修はここまで。きっと「人と仕組みの調和」の第一歩となっているはずです。

【2024/5/23】上の方でも書いたのですが、この考え方自体が少し古い感じがしてきて、改めてメモとして書き残すモチベーションが湧かなくなってきましたので、研修編はこれで終了にします。

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