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副反応が教えてくれる事

「体調が一時的に悪化することが、事前にわかっている」という状況はそう多くはない。

病気や怪我は発生が予測しにくいし継続期間もわからない。
けれどワクチン接種の副反応は違う。いつ起こるか、どれくらい続くか、どれくらい体調が変化するか、がおおよそ事前にわかる。

今回コロナワクチンの3回目接種で起きた副反応、発熱などはきつかったが予想通りだった。

一方で新たな視点と発見もあった。副反応は「予告されていた丸一日の非日常」だった。そこから感じたこと、教えてもらったことがある。

副反応自体

詳しい説明は専門家・公式の情報に譲るが、僕個人に関しては「38度以上の発熱+首から背中への強い痛み」が丸1日続いた。文字通り動けくなり、仕事を休みずっと横になっていた。

関係性の中での自分

自分が動けなくなったことで顕になったのが、自分が普段どのような関係性の中で過ごしているかということだった。

組み上がったジグソーパズルの1ピースが欠けるとその周辺のピースの形がよく見えてくる状況に似ている。

欠けたピースの周辺はどうハマっていたのか。社会的動物という視点での自分、が浮かび上がってきた。

転職して1年、リモートワーク中心だったこともあり、現在の会社の方々を十分には知らない。実際に対面で会ったことがない人もたくさんいるし、会食や懇親会もこの1年ほぼゼロ。(ちなみに”歓迎会”はまだされてないしこのまま無いと思う、こういう状況の方々は他にも大勢いると思うし、これもニューノーマルなのだと思う)

その分、リモートでできるコミュニケーションは全力でしてきたが、対面コミュニケーションで得られるような反応やフィードバックは難しく、どれだけ信頼関係の構築ができているかいまも不安になる時がある。

接種翌日の朝「きつくて今日休みます、すいません」というメッセージを送ったところ、それを気遣うメッセージを何人かのメンバーからもらえた。普段は雑談が少ない方々なので、とてもありがたかった。

きつい時はお互い様、カバーし合う、というごく普通なことなのだけど、些細なことだからこそ、普段は声や文字にして言わない。

リモートワークだと相手の状況を推し量りにくいので、ますますそのような機会は減る。少し大袈裟かもしれないが、この時はチームメンバーの普段は見えない優しさとつながりを感じた。

副反応はほぼ全員が経験する(或いは理解しやすい)共通の苦しみだ。それがある種の共感を生む。

そして、その時にチーム内で交わされる言葉が、どんなものかは大切なように思う。

副反応が1日で終わるとわかっていても、チームメンバーの体調を、丁寧に言語化して気遣えるか。それはその後チームの一体感にもつながるかもしれない。

些細なことかもしれないが、リモートワークにおけるチームビルディングは、このようなことの積み重ねなのではないだろうか。

多くの人が経験する副反応は、そういう意味では、良い機会なのではと思う。きちんと声やメッセージを些細なことでも言語化して、少し丁寧に伝え合うことでより信頼しあえるチームになれるのかもしれない。

普通は有難い

発熱と痛みで、文字どおり一歩も動けなくなった。眠りも浅く、食欲もわかなかった。この時は「普段当たり前にしている”日常生活”ができたらどんなに良いだろう」と強く実感した1日だった。大好きなランニングまでは望まない、ただ普通に過ごせることがどんなに有難いことかと感じた。

病気や怪我は何の予告もなしに日常生活を突然奪い、長い期間続くこともある。

一方副反応はそれがちゃんと予告され起こり、短期間で終わる。
この時に感じることは、もし体調が悪化したら・病気や怪我をしたら、の体験にも近いのではないだろうか。

そこから学んだことは、やはり自分の体調を日々維持するための意識・行動は大事だということ。そして、体調が悪く大変な方の状況をできるだけ理解し支えることが大きな助けになる、ということだった。

もうワクチンなんか打ちたくないけれど、この非日常な経験はいつもと違う視点を与えてもくれた。

チームメンバー、他者、そして自分への思いやり。

普通の慌ただしい生活の中では軽視してしまいがちだが、この経験を通じて改めて目を向けようと思った。

副反応明けのランニングは、新鮮な気持ちで走れた。

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