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田舎の塾でオンライン授業を作るにあたって考えたこと

はじめまして。中谷柊哉といいます。なかたにしゅうやと読みます。「まなびや 縁側」という、鳥取県日野郡の公設塾ではたらいています。

公設塾とは、自治体が運営する地域の高校生向けの教育施設のことです。

塾といっても勉強をするだけではありません。地域のおもしろい仕事や珍しい経歴の人と関わることによって、より広い視野のもと自分の進路を考えていく場をめざしています。

日野郡公設塾「まなびや 縁側」は今年度の4月からオープンの予定でした。しかし、昨今のコロナ対策のためオープンは延期となってしまいました。現在は学びをストップさせないよう、オンラインでの個別指導を行っていく予定です。

前置きが長くなりましたが、オンライン授業を作るにあたって考えた「田舎の塾がオンライン化することの危機と残された可能性」について書いていきます。

オンライン化する=競争社会にぶちこまれること

何でもかんでもオンライン化すればいいというものではありません。授業はYouTubeで見れるし、質問は知恵袋でできます。オンライン化するということは既存の有能なコンテンツ、さらには、時間の使い方を提供するという点においては教育サービスだけでなく、数々のエンタメも競合になります。それらと同じフィールドで戦わなければいけないことを自覚しなくてはいけません。

これは教育業界に限った話ではなく、いまコロナで影響を受け、オンライン化を検討している業界すべてに当てはまると思います。オンライン上では基本的には良いものが1つだけあればことが足りるので、オンライン化した途端に、今までオフラインの価値に紐づいて存在していたものは自然淘汰されてしまいます。地域で成り立っていた商売は市場が独占できていたこと+そのお店の雰囲気や店員さんの人柄に価値があったことを再認識するきっかけになりました。


新たな価値を見出す3つの方法

述べた通り、ただオンラインで授業することにはあまり価値がありません。新たな価値を見出す方法としては3通りあると考えています。

1. 塾を再定義していく
2. オンラインでの課題解決型学習を提供
3. 少人数での開疎オフライン空間での体験を提供

1についてはいまはまだ考え中です。「塾」の本来の役割、価値がなんなのかを再定義していきたいと思います。

即効性のあるポイントとしては2と3だと考えています。オンラインでの個別指導により、教科学習は短時間で済むようになり時間が余ります。その時間をPBLのような、やりたかったけど時間がなくてなかなかやれないような活動に当てていく。

さらに、開疎なオフライン空間で少人数で活動することの需要はおそらくどんどん高まっていくと思います。田舎の山や田んぼ、川なんかは感染リスクは低いので。田舎資源を使った教育にどんどん挑戦していきたいと思っています。


まとめ

コロナ以前からのメタトレンド的には「個別最適化が進む→時間が余る」というのがあると思います。コロナによってその流れが加速し、さらに「オフラインが貴重」という価値観が付随した感覚です。

教育も流れとしては同じ。コロナによってその流れが加速しただけで、向かう方向性はそれほど違いません。そこに付け加えて、田舎の開かれた、人のいない空間をいかに利用していくかが今後の肝になると思います。

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