なうしか

数学科卒業後、山奥で自給自足ニート生活。その後、鳥取にある人口3000人の田舎に移住。…

なうしか

数学科卒業後、山奥で自給自足ニート生活。その後、鳥取にある人口3000人の田舎に移住。キャリア教育や探究学習を行う塾の講師をしている。なめらかなものが好き。

最近の記事

2022年の抱負

1. 有形無形問わず、ものづくりをする料理、DIY、電子工作、webサービスなど、作ったことのないものを作ってみる。 作る過程でなにか発見があるはず。 2. 文章を書く論理的な文章だけでなく、情緒のある文章を書けるようにする。書くことで思考を整理する。 好きな文体の人を真似る。 3. データ分析を実務で活かせるレベルにする定性、定量分析のレベルを実務レベルにまで上げる。 データをもとに考える練習をする。 4. 人のおすすめを試す映画、漫画など、さまざまなコンテンツで、人

    • 思考と思考をつなぐことと身体性の広がり

      数学の問題を解いているときに、あっとひらめく瞬間がある。闇の中を手探りで進んでいるときに、ふと目の前に明かりが見え、今いる地点から、次の地点までの道のりが一筋の光で照らされたような感覚だ。 「手に取るようにわかる」という言葉があるように、わからないものが明確にわかるようになったときの感覚は、「わかった」と頭で理解するのではなく、身体で「腑に落ちた」と理解しているような気がする。 私たちは思考を道具として用いる。なにか問題を解決しなければならないときに、考えるという行為、思

      • 学びの個別化には2種類ある

        著名な教育学者たちが「エビデンス」「コンピテンシー」といった昨今流行りの「新しい教育」を痛烈に批判する『流行に踊る日本の教育』という本を読んだ。なかでも、学びの個別化には2種類あるという話がある。自分の経験からも、学びの個別化の議論をしているときに話がかみ合わないな、と感じることがよくあり、実は学びの個別化は人によってとらえ方が違うのでは?と思っていたところだった。 テクノロジーの進歩にともない、教育界隈ではICT教材を使って一人ひとりに合わせた学習指導を行っていこうとする

        • 教育観の多様性を受け入れるには?

          「学校でなにを学ばせるべきか?」と聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか。 「最低限の読み書き」「好奇心を育むこと」「お金の知識」など、100人いたら100通りの答えが返ってくるのではないかと思う。自分は数学の塾講師をしているのだが、「数学を教える」こと1つとっても、考えさせることに重きをおく人、問題を解くことを優先させる人など、重点をおく部分は人によってさまざまだ。 これらの考え方の違いは、教育に対する考え方や価値観、つまり教育観の違いによって生まれてくる。世の中ではジ

        2022年の抱負

          生徒と教育者は対等な関係でありたい

          『テストだけでは測れない!―人を伸ばす「評価」とは』(吉田新一朗 著) という本を読んだ。この本ではプロジェクト学習を進めるにあたって、生徒と教師が「契約書」をかわす方法について紹介されていた。 その契約書の項目は、プロジェクト学習のねらい、学習内容、具体的な学習方法、スケジュール、評価方法で、これらの項目を生徒と教師が一緒になって決めていき、両者 + 生徒の保護者 がサインをする。それにより、生徒と教師と保護者が責任をもってプロジェクトを実施、サポートしていくことを取り決

          生徒と教育者は対等な関係でありたい

          Zoomオンライン授業の課題とふらっと立ち寄れるオンライン空間としてのSpatialChat

          緊急事態宣言が出される前、こんなことを考えていた。 これから数週間が経過し、何度かオンラインで授業的なことをやってきたので、そこから得られた知見とこれからなにをしていくかを記録しておく。 前提:今年から田舎で塾をはじめたまず、僕 ( @nakatanishuya ) が関わっている田舎での塾について説明しておきたい。 僕は鳥取県の日野郡という田舎町にある公設塾「まなびや 縁側」のスタッフをしている。公設塾というのは田舎の行政が運営する塾のことである。田舎では塾などの教育

          Zoomオンライン授業の課題とふらっと立ち寄れるオンライン空間としてのSpatialChat

          作ることで学ぶとは

          『作ることで学ぶ Makerを育てる新しい教育メソッド』という本を読んだ。(なんかめっちゃ値上がりしてる) オライリーと言えば、プログラミング関係の本を多数出している出版社で、この本もSTEM教育をどう行うかについて、3DプリンターやLEGOなどを用いた事例とともに紹介されている。 STEM教育の事例はそれはそれで読んでいてワクワクするのだが、この本のいちばんの良さは「構成主義、構築主義」という立場から学習環境をつくっていくことに重点をおいて解説しているところである。

          作ることで学ぶとは

          田舎の塾でオンライン授業を作るにあたって考えたこと

          はじめまして。中谷柊哉といいます。なかたにしゅうやと読みます。「まなびや 縁側」という、鳥取県日野郡の公設塾ではたらいています。 公設塾とは、自治体が運営する地域の高校生向けの教育施設のことです。 塾といっても勉強をするだけではありません。地域のおもしろい仕事や珍しい経歴の人と関わることによって、より広い視野のもと自分の進路を考えていく場をめざしています。 日野郡公設塾「まなびや 縁側」は今年度の4月からオープンの予定でした。しかし、昨今のコロナ対策のためオープンは延期

          田舎の塾でオンライン授業を作るにあたって考えたこと

          高校生とZoomをしてみた感想

          遠隔授業のため、高校生にZoomを体験してもらいました。そのときに発生した問題や、難しいと感じたところをメモしておきます。 生徒がZoomで授業(1:1)を受けるまでの流れとしては、以下の通りです。 1. 生徒がサイトで授業を予約 2. メールでZoomのURLとパスワードを送る 3. 生徒側がZoomに参加 この流れを実際に体験してもらった結果、いろいろな課題が見つかりました。 1. 高校生はメールでやり取りしないZoomのURLをメールで送ったのですが、そのメール

          高校生とZoomをしてみた感想

          オンライン講座のカリキュラムを作るまでの試行錯誤の記録

          今年の4月から塾をスタートさせる予定だったのですが、コロナの影響で延期となりました。そのまま延期を続けていてもなにも始まらないのでオンライン講座をつくることにしました。そのときに考えていたこと、プロセスを記録しておきます。 書いている人はだれか中谷柊哉といいます。なかたにしゅうやと読みます。「まなびや 縁側」という、鳥取県日野郡の公設塾ではたらいています。 公設塾とは、自治体が運営する地域の高校生向けの教育施設のことです。 塾といっても勉強をするだけではありません。地域

          オンライン講座のカリキュラムを作るまでの試行錯誤の記録

          「諦念」はどこからやってくるのか

          「中谷くん、スルースキル高いよね」とよく言われる。いい意味でとらえれば、人間関係のめんどくさいところをほどよく受けながし、わるい意味でとらえれば、人の話を聞いていないということ。 (自分的には後者だと認識している。) スルースキルが身に付いた理由としては「自分がいろいろと考えたところでなにも変わらないような物事について、そもそもあれこれ考えない」ことにしているからだろう。「悟りを開いているね」と言われる。「諦念」に浸食されているのだ。 「諦念」は昔っからこころの片隅に住み

          「諦念」はどこからやってくるのか