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落ちこぼれ営業だったぼく ~売れるマインドの作りのすゝめ~

みなさんこんにちは!セールスサイエンスラボの中谷です。

普段、セールスに関するナレッジやノウハウに偏った発信をしており、中には『人間味がない』、『怖い人なのではないか』などのコメントもいただくことが増えてきましたので(笑)、自己開示の意味も含めマインド起点での記事も書いてみたいと思います。

営業職に従事されている方の中には、どうしても『自信を持って営業できない』、『今一歩、突破しきれない』という悩みを抱えていらっしゃる方も多いのではないかと思います。

自分に自信を持てない二流営業パーソンだったぼくが、約1,000名中トップセールスになった体験を知ることで、少しでも勇気を持っていただけたり何かのきっかけになれば幸いです。

そう、今回のキーワードは『自信』です!!

売れるようになる為に、『自信』は必須です。その自信の作り方、在り方について、個人的な体験を基に、本記事では書いていきたいと思います。

(自己紹介代わりの記事はこちらからどうぞ!)

自信を持てなかった新人営業時代

当時僕は新卒入社1年目の23歳。欧州系外資製薬会社で、MRとして勤務していました。

初年度は、全国のMR(千数百名)中、下位10%程度の個人成績で、全然売れず、自身の営業活動に対する自信なんて全くありませんでした

MR (Medical Representative:医薬情報担当者) は、クリニックや病院のDr.、薬局の薬剤師等に対し医薬品の情報提供を行うなかで(適切な患者さんに)自社製品の処方をいただき、売上を上げていく営業活動 (厳密には営業活動と呼んではいけないのですが。) です。

配属地は富山県でした。富山県は何と言ってもかつての『越中富山の薬売り』が有名な”薬都”でして、北は海、東西南は山に囲まれた地理的に極めて閉鎖的な土地です。そんな県だったので、由緒正しい日系製薬会社において富山県は『勝てる』市場でした。

ところが、一方、私の勤めていた外資の企業ではその真逆で、全国47番目の評価を毎年受け続けている営業所でした。

今となっては”第二の故郷”と呼べるくらいに深い富山愛を持っているぼくですが、配属当初は絶望したのを覚えています。


こんな背景があったので日系製薬企業だと、
『富山に転勤?ご栄転おめでとう!』


と言われ、外資系製薬企業だと、
『富山?どうせ売れないから転職したら?』

と言われることもあるほどでした。(勿論、会社によって様々なので一概には言えませんが。。)


その中でトップを目指すとなると、そもそもMR職新卒の殆どが薬学系/理系学部卒である中、文系の僕はスタート時点でハンデを感じていたので、とてつもなく遠いゴールの様に感じたのを覚えています。

※MR職の新卒は、文系がマイノリティという営業関連職では珍しい採用比率でした。(入社してから約半年は薬学や疾病、法律、医薬の歴史などを勉強し、年末にはMR認定の試験に合格する必要があるため、製薬会社は受かりやすい理系を採用する傾向にあるのです。)

こんな、超劣勢な中での営業キャリアのスタートでした。

まとめると、

・薬学系/理系の同期/同僚よりも低い知識量
 
(更に、顧客はDr.であり営業より知識も頭脳も経験も上)
・圧倒的に低い自社のシェア
 (運悪く、売上が全国最下位の営業所へ配属したこと)
・もちろん、前任と顧客の良いとは言えない関係性

と、上に書いた3点を、『できない理由』と自分の中で言い訳にしながら仕事をしている自分がいたようにも思います。

辛く、苦しい新人時代でした。

実際、渡した名刺を目の前でダイレクトにゴミ箱へ入れられたこともありますし、

『はい、はい、はい、はい、はい、はい、帰っていいよ。』
『だらだら話さんといて、忙しいんだから。』
『用件すませたらさっさと帰って?』
『君に言われんでもわかってるからもうええ。しばらく来んといて。』

などのお言葉をいただいたこともあります。

そうして更なる悪循環で自信を失っていきました。
今となっては懐かしい、貴重な経験です。(笑)

(小休憩にぼくが担当していた富山県南砺市の絶景をどうぞ😊)

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ぼくが自信を持てるようになるまでの話

全然売れず、自信もなく、営業としての自分の強みが何なのかもわからないまま一年目が終わろうとしていた冬、ほんの少しだけ成果が出ました。

新しく発売された新薬で、営業所で初めての新規採用を決めたのです。

沢山の新規獲得をできたわけではないですし、沢山売れたわけではなく、本当に小さな成果でした。

でも、そんな小さな成果から、多くの事を学びました。
その中でもこの後ターニングポイントとなる、自身の成長に大きく寄与する決定的な『確信』がありました。

それは、

まず、一番最初に、Dr.と対等に会話をできるだけの、医学と薬学に関する専門知識を持たないと何も始まらない

という、仮説に対する確信でした。この仮説を立てたあと、僕はとにかく専門知識の勉強に時間を注いだのでした。

(ただ、誤解のないよう補足しておくと、『専門知識を身に付けると売れる』という話では断じてありません。)

重要なのは、営業と顧客の関係性。営業は、顧客から『こいつは信頼できる』と思われる存在になっていないと、そもそも効果的な商談はできません

そんな中で意識しなければならないのは下の図です。↓

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営業が顧客から信頼され、『頼りになる存在』になるためには、実は2ステップあるのです。(※詳細は下記の記事で紹介済み)

① 友人としての立場
 ⇒好感を獲得できている状態
② 専門家としての立場
 ⇒プロとしてのポジションを獲得できている状態

この2つですが、ここには順序があります。

何故なら皆さんは、『こいつ、何者だ?!』と思っている(友人ポジションを取れていない)人から、『XXに関してはこうすべきです!(キリッ)』と言われても、(たとえそれが正しくても)内心では『お前に言われたくない。そもそも何様だ?!』くらいにしか思わないですよね?

なので、まずは①友人としての立場を築き、その上で②専門家としての立場を作り上げる順序になります。

ただ、僕は重要な事を見落としていました。

上記の”頼りになる存在”状態になるために、①の段階から『専門的な知識』は必要だったのです。

専門性が極めて高く多忙なDr.は、『有益な情報も持っていない若造とは、口も利きたくない』のです。
(専門性を持っていないと、友人ポジションすら獲得できない)

新薬の発売によって、まだ世の中になかったものを1から勉強し、Dr.と対等に薬剤に関する会話ができるようになって、その結果小さな成果を出す事のできた体験からこれを確信しました。

それ以降は、毎日1~2h、

・自社製品関連疾患に関する全てのニュースサイトの全記事インプット
・全世界論文検索サイトでの自社製品関連疾患/薬剤の論文のインプット

これを毎日欠かさず行うことにより、専門医のDr.とも対等に処方に対するディスカッションをできるようになりました

その結果、(後から)自分のコミュニケーションの特性も活きて人間的にも可愛がっていただけるようになりました知識は、ひけらかすためのものでもないですし、必殺技でもありません。一つのコミュニケーションツールです。

これは、MR職に限らず、全業界の営業について言えると思います。
(具体性を持たせるために事例ベースで書きましたが、これは決して業界による特殊性は関係ありません。『うちの業界は特殊だから』というのはただの甘えです。)

営業として自信を持つことの難しさ

『自信がない』理由は、人それぞれだと思います。

・結果が出ていない、結果の出し方がわからない
・自分の強みをわからない、発揮できない
・失敗が怖い、恥ずかしい (繰り返しの失敗への恐怖)
・成功体験がない
・自分の理想と現実の乖離が大きい
・負けたくない、嫌われたくない、争いたくない
・言い返せない、反論されるのが怖い

等々。

自信が沸かない理由が分からない、という方はよければ一度立ち止まって、自分に問いかけることで何が原因なのか認識・仮説を立てるところから始めてみて下さい。

営業という職業は不確実性が高いため、『狙い通り』受注できることの方が少なく、この成果がコントロールできないが故に、自信を持ちづらい仕事なのかもしれません。

だからこそ、読んで字のごとく『自分を信じる』ことのできる自分の中での絶対的な軸(強み)を作れるか否かは成果に大きく影響するのだろうと思っています。

計画的に『自信を獲得』する方法

上述のように私の経験してきたこと、そしていま過去を振り返ってみても、この答えは

学び続け、変わり続けること

と言うほかありません。これは、

① ”学び続け”=知識/スキルをインプットし続け、
② ”変わり続ける”=アウトプットを進化させ続ける

ということです。

ぼくの若手営業時代の事例では”専門知識を猛烈に勉強すること”でした。

これは間違っていなかったと今でも思います。

何故なら、天性のトークは頑張ったところで身に着けられる確率は極めて低いですし、圧倒的な容姿の美しさも難しそうです。IQも一朝一夕には伸びないでしょうし、人脈もそこまでありませんでした。

そして、この”強み”を完成させる上で必要なのは常に顧客の存在です。
(自己満足の強みに価値はありません。)

成功体験も、失敗の恐怖からの解放も、成果創出も、評価も、全てお客さんが与えてくれるものです。だから、顧客に価値を届けられる努力によって自信を高めることが必要なのです。

つまり、最新情報を知る、専門情報を知る、というということは極めて不確実性が低く、その効能は自分自身の行動によってのみ変動するため数学的に期待値の最も高い打ち手だからです。

特にこの、『学ぶ』という事に関してより実践的な事を言うとすると、

顧客は、自分の知りたいと思っている情報に関して、営業の方が情報格差を持っている状態であるときに信用をします。

それは例えば、

・過去実績や事例
・将来的なリスクの事前予告
・業界トレンドや業界内”あるある”情報の先回り伝達
・その他、”知らなかった”有益情報(最新情報含む)

このように、顧客との”情報格差をどのように作るかを設計して、学ぶ”ということで、計画的に自信を作り上げることができます。

決して、売りたい製品の情報に詳しくなればいいわけではありません。

業界の専門性、トレンド、経営における価値などの情報です。これは絶えず変わり続けるので終わりなく果てしない学習です。

新人研修などで、製品の情報をインプットするところからスタートしますが、営業が営業である間は永遠に学び続け、変わり続ける必要があります。これを続けられる営業のみが、成長し続け、勝ち続けます。

ある程度できるようになってあぐらをかいている人にこそ、声を大にしてお伝えしたいです。

営業における”自信”の効果

私の過去の失敗体験や成功体験を開示させていただき、営業における”自信”の重要性についてはみなさんに十分ご理解いただけたのではないかと思っています。

しかし、こんな話がなくても当たり前に、

自信のない営業からは買いたくないな
自信のある営業は信頼できそう

という感覚は既にお持ちなのではないでしょうか。

実際に私の例では、膨大なインプットをするようになって以降、営業成績はグングン上昇し、3年目の終わり~4年目には全国ランキング1位になることもできました。(なんと全国最下位営業所から!)

どんなに専門的な質問や要望、反論に対しても齟齬なく、自信を持って会話を展開できることによって、依頼される仕事のレベルも変わりましたし、会話の幅も広がりました。
すると処方に関係のない相談もされるようになりましたし、人としての関係性も変わりました。
そして競合とのシェアも変わりました。

Dr.から信頼され、自分だけが面談時間を許されたり、特別な待遇を受けるまでになりました。

このMR時代だけでなく、コンサルティングファーム時代も今も、常に『営業/セールス』という分野の勉強だけは欠かしておらず、毎日誰よりも成長しているのではないかと自分で思っています。(笑)

この『自信のある営業』であることは、パフォーマンスに大きく影響します。

1. 営業自身が、自分に対する自信を持つこと
2. 顧客が営業に対して価値を感じている状態

この二つが揃った状態において、営業は最高のパフォーマンスを発揮できます。

自信があるだけで、その価値を顧客に届けられていなかったらそれはただの過信です。

最後に今回の記事をまとめると、

売れたければ正しく自信を付けよう!
そのためにはたくさん勉強しよう!!
そうして自分の強みを磨き続けよう!

という内容でした!

ぜひ正しい自信のもと、顧客に価値提供し続けられるよう、学び続けていただくモチベーションの一助になりましたら幸いです。

ご興味お持ちいただけた方は下記より無料セッションへのお申込みをお気軽にどうぞ!!😊


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