感想:誰か(宮部みゆき)
今日は久しぶりに読書の感想を書きたいと思います。
読んだ本は、宮部みゆきの「誰か」です。
宮部みゆきの本の中でシリーズ的に出てくる、今多コンツェルンの広報室で働く杉村三郎が出くわすミステリー。これはシリーズ第1作目。
庶民的な生活をしていた普通の人だったのに、ひょんなことから大金持ちの娘と結婚することになって、逆玉の輿を達成した人が主人公杉村三郎、という設定。
そのコンツェルンの会長の運転手を務めていた人が、とあるマンションの前で自転車と接触して亡くなったことを機に、その運転手の娘と一緒に過去を振り返りはじめ、運転手の過去を紐解いていくことで、その死の裏側をさぐっていくストーリー。
宮部みゆきの小説は、伊坂幸太郎の小説ほど伏線が山ほど出てきたりどんでん返しの展開が出てきたりするわけではないですが、主人公、犯人、その周辺の人々の人物描写が豊富でいいですよね。
この物語も、あまり自分を曝け出さない運転手の穏やかな性格、その性格からは読み取れない秘密が徐々に明らかになっていく展開は読んでてハラハラしました。
あとは、運転手の娘たちの人間模様。書いてしまうとネタバレになりまさが、かなり深い。
日頃の通勤時間の中とかで、テンポよく読める、良書。