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大学入学共通テストをアルバイトが採点

NHKのニュースで、今後大学入試センター試験に代わって導入される予定の「大学入学共通テスト」に初めて記述式の問題が導入されることに関するニュースが報じられました。

記述式問題の採点に、アルバイトで雇った大学生が担当するケースが想定されるそうです。

大学入試センター試験は、ご承知の方も多いと思いますが、国立大学入試の1次試験としての関門でもあり、私立大学の受験でも結果が使われることがあるなど、その結果が大きな影響力を持つ試験です。

だからこそ、当たり前のことではありますが、受験生の立場になれば、採点は公平公正に実施されてほしい、と考えるのはごく自然なことのように思います。

だから、マークシート方式を採っているセンター試験は、理にかなっているんですよね。数学理科社会は元より、国語だって英語だって、正解が1つになるように作られているからです。センター試験が終わった後、問題と正解が新聞紙に載るくらいですから。論理的に考えれば、正解が導けるように作られている。

あと、採点ミスが起こりえない、というのもわかりやすいですよね。なんたって、マークシートですから。自分で塗り間違えていない限り、あり得ない。だから、結果には自己責任が伴う、という意味でもわかりやすいやり方。

だけど、記述式の問題であれば、そうはいきません。もちろん採点基準は示されるのでしょうが、回答がその基準を満たしているかどうかをジャッジするのは、採点者の主観に委ねざるを得ないから。

例えば高校入試にしろ大学入試にしろ、記述式の問題に答えて合否を委ねる、という経験もしていますが。それは、「採点をしてくれるのが、入りたいと思ってる学校の先生だから、一定の信頼のもとに」成り立っているようなもので。

それが大学生のアルバイトであれば…自分の人生を委ねるのはちょっと怖い気がします。

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制度導入にあたり、プレテストなるものが実施されたそうなのですが、採点した大学生は「受験生が気の毒」という感想を持ったそうです。おいおい。

共通テストのプレテストを採点したという大学生は、「採点会場に集まったのは大学生が多かったが、途中で『居眠りをしないように』という注意もあり、全員が同じようなモラルや責任感を持って取り組むわけではないので、受験生が気の毒かなと思う。自分も採点基準がよくわからなかったりして、2割から3割ぐらいは基準どおりに採点できているか自信がない。ただでさえ記述式の採点は個人の主観が入ってしまう」と話しています。

2、3割は基準通りに採点できているか自信がない。おいおい。

アルバイトですかねぇ。採点のプロではないでしょうから。

実際に採点ミスも0.3%あったようで。

共通テストの本番に向けて、課題などを探るため行われたプレテストでは、ベネッセがアルバイトの大学生などを採用して採点した結果、国語の記述式で76人の答案、率にして0.3%で採点ミスが見つかり、補正が行われたということです。

50万人がテストを受けたら、1500人は採点ミスを食らってしまう計算。おいおいおい。

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そもそも記述式問題の導入の背景は、「1つとは限らない正解を導く力を測る」ことが目的のようなのですが。

それは2次試験などの機会で見ればいいと思うんですが。

ちょっと、自分の子には、受けさせたくないな、と思ってしまいました。

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