日々雑感44　寝正月

2021年の正月休みは静かだった。毎年恒例の新年会がなかったから。
親戚で集まる新年会が好きではない。わたしの実家に帰ることでさえも、気を遣うことばかり。ましてや義実家の集まりは、“一年のうち一日だけ”と言い聞かせて行っているようなもんである。単なる疲れるイベントとなっていたのが、新年会だ。

「赤く染まった紅葉を見に行きたいなぁ」と思った頃に、2021年の新年会は中止という知らせを聞いた。休みを家族だけでゆっくりと過ごそう、と決めた。
それからは、正月のことを思い煩うことなく過ごせた。親戚に配るものを早々と手配してしまえば終わり。なんて簡単なのだろう。

毎年こうであったら、いいのに。そう思うのは冷酷だろうか。
わたしがもっと年を取ったら、みんなに集まってもらいたいと思うのだろうか。
心穏やかに過ごしたはずの正月に、また悩んでいる。