パタゴニアとSDGs


サーキュラーエコノミーは今、最重要な取り組みテーマと考える。自分の好きなブランドであるパタゴニアは、2011年頃から消費主義に疑問を呈しており、例えばブラックフライデーには「このジャケットを買わないで」という広告を実施していた。

https://www.patagonia.jp/stories/dont-buy-this-jacket-black-friday-and-the-new-york-times/story-18615.html

購買意欲が高まるブラックフライデーに買わないでという手法、強烈なメッセージ。パタゴニアは返品システムや、リサイクル、リペアのサービスが充実しており製品を長く使うことを推奨している。

同社の思想はイヴォン・シュイナード氏著の「社員をサーフィンに行かせよう!」を読むとよりよく理解ができる。パタゴニアの社員になるためには、何か一つでもアウトドアスポーツに取り組んでいることが条件であり、よい波の情報をキャッチできたら就業時間であろうと「サーフィンに行く」ことが推奨されている。まさによく遊びよく働くである。これは、遊びで得られた知見が仕事に生きるサーキュレーションを得られている。つまり、自分がクライミングをするから「リペアに預けられたベルトがどういった工程で傷んだかがわかる」のであり、サーフィンの波を追い続けるからこそ、シーズンごとの読みが商品の生産タイミングに反映できる。もちろん、顧客との会話がそのスポーツをしない人の何倍も豊かな時間であることは言うまでもない。

ファッションに流行を取り入れないことで、LTVの概念を持ち込んでいるところも秀逸だ。流行を追ったスタイルではないため、常にパタゴニア的であり昔の販売のものも「古く見えない」そして、リペアがされているほどに逆に格好よく見えるこれはある種の勲章のようなものだ。傷に思い出は宿る。それは体もそうであり、衣服もそうだといえる。ここの補修は日本アルプスへ行ったとき、ここの補修は自転車レースに初めて出たとき。治した部分に張り付いたのはあて布だけではない思い出なのだ。

一度利用した繊維からさらに再生繊維を生み出す技術の話を聞いたことがあるがそういう技術がどんどん「安価」になっていくことを期待している。ボタンなどのパーツは「3Dプリンター」でオーダー生産が可能になるので、必要分だけ作る、なくなったら作るというのはできるようになるはずだ。そうしてそれが、有機素材でできるようになれば、落ちたボタンも、手袋さえも土に還りまた、新たな生命の土壌として地球に暖を与える礎となることもできるようになるだろう。

現在、僕のパタゴニアジーンズは11年目であり、リペアを複数回している。普段着はパタゴニアのロングシャツ2枚、パタゴニアズボン2本、ジーンズ1本。をべ―スに着まわしている。アウターは、パタゴニアのベスト、ダウンジャケットだ。あとはシャツが2枚。もちろん他のTシャツなどもあるにはあるが最小限にしている。モノを増やさないことは、頭の整理になる。瞬発力が生まれる。限りある資源のサイクルに自分も入るために、頭を回していきたい。


当て布、スケボーで転んだのだ、大人だけど!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?