『男であれず、女になれない』(著:鈴木信平)を読んで

NovelJamをきっかけにnoteに投稿するようになるまでは、twitterで投稿できる文字数の範囲で、読んだ書籍の紹介をさせていただいておりました。
ですが、こうしてnoteを使うことで、かなりの文字数まで投稿できることになりました。
ならばということで、さっそくnoteで書籍のご紹介をさせていただこうと思います。

今回私がご紹介するのは、表題にある通り鈴木信平著の『男であれず、女になれない』(小学館)です。タイトルから連想されるように「セクシャリティ」に関連した書籍となっています。

私はここ1か月にわたり毎週大学の「GSセンター(Gender and Sexality センター)」に通い、セクシャリティに関する書籍や漫画を借りて読んでいます。なぜそのようなことに関心をもつことになったかということは、話すと大変長くなってしまうのでここでは割愛させていただきます。そこで先週手に取ったのがこの本だったというわけです。

この本の著者さんは著者紹介にあるとおり、ホルモン摂取など女性化を求めることなく36歳で男性器を摘出されています。この本では著者さんが幼少期から手術後の現在にいたるまで、当時を振り返る形でできごとを記されています。丁寧に書いてくださっているので、著者さんが感じられた違和感や著者さんが当時なぜそのような行動を取ったのか、などをなんとなくはなぞることができるのではないかと思います。

私はこの本を読んで、悲しくなると同時に嬉しくもある、そんな感情を抱きました。著者さんはとても冷静に自らの置かれた状況を分析し、自分にとっては何が必要なのかを理解し、なんども繰り返し考えながら最終的に答えを出しています。私が著者さんが出された答えを本からいくつか読み取りました。結果、共感できる部分が多数ありました。箇条書きで2つご紹介させていただきます。大変抽象に偏っています。

・私と同じ能力を持った人がいたとき、私でない人の方が、リスクが低い分だけプラスである
・性別が人生のすべてを構成しているわけではない

です。

日々私も色々とグルグル延々と考えいますが、セクシャルマイノリティというだけで負ってしまうリスクはどうしても存在します。そのリスクを超えるようなプラスな面を身につけないと、リスキーなことだらけになってしまうと思っています。そして2つ目に関しては、性別が人生のすべてを構成しているのだとしたら、その瞬間から私は俯いて日々を生活することになるのが目に見えています。個人的にそんな世界ではないと証明したいと思います。

この本はセクシャルマイノリティの方はもちろん、そうでない方や親御さんにも読んでいただきたい本です。現時点で親にカムアしていない私が言うのはおかしな話ですが、私の親も著者さんのご両親のようだったらいいのになぁと少し思いました。個人的には、ホルモンのお話しもあったのはとても興味深かったです。人間って不思議な生き物だなとつくづく思います。この本のおかげで、軽々しくホルモン治療だとか手術だとか言ってはいけないとも再度思い知らされました。

少しでもご興味のある方はぜひ読んでいただきたいと思います!
そして私はもう少し上手に本の紹介ができるように精進してまいります笑

(N)

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