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美容室の開業 タンス預金を自己資金として認めてもらう方法は?

2-1-1 美容室の創業融資編 自己資金

〇タンス預金とは?
 「タンス預金」ってご存知ですか?ひょっとしたら「タンス」という言葉自体を知らない人もいるかもしれません。分かりやすく言えば、タンスの中に入れているお金の事を言いますが、別にタンスの中だけではありません。銀行口座に入れずに、自宅で現金で保管、貯金しているお金のことを言います。貯金箱、へそくり、自宅の金庫などで保管しているお金のことです。

〇タンス預金で貯めたら不利になる?
 タンス預金でお金を貯めること自体は悪い事ではありません。銀行にお金を入れていても、大した金利は付かないし、むしろ、口座維持手数料や引落手数料なんかでお金がかかってしまう、なんてことも今はあります。現金で受け取った生活費から、コツコツとお金を残してお金を貯め続けている人も少なくありません。お金に色はありませんから、どのようにお金を貯めているのかは本人の自由です。ただし、これが融資を受けようとする際の自己資金として考えている場合は話は違ってきます。

〇金融機関はタンス預金が嫌いです。
 そんなお金があるなら、銀行に預けてほしいという気持ちがある、なんてのは冗談で、お金を貸す側から見た時に、この人にお金を貸してよいかどうかを判断する材料として「タンス預金」は望ましくない、という意味です。
 お金を貸す側からすれば、この人は信頼できる人なのか?が知りたいのであって、どれだけお金を持っているかどうか、ではないのです。
 例えば、ここに200万円お金を持っています。お店を開くために1000万円のお金を貸してください!という人に対して、金融機関は何を考えるのかと言えば、200万円をどうやって準備してきたのか?を確認します。
 200万円を長い時間を掛けてコツコツと貯めてきたお金であれば、この人は目標に対して計画的に準備できる人だと判断します。問題はこれをどうやって確認するのか?

〇真実を証明する責任はお金を借りる人にある。
 どうやってこの200万円を用意したのかは聞かないでほしい。僕を信頼してほしい。
 金融機関からすれば、信頼できる人にしかお金は貸せません。創業融資というのは、もともとこれからスタートする事業に対する融資です。事業が上手く行くかどうかはハッキリ言って誰にも分かりませんし、信頼することは無理があります。だからこそ、信頼できるかどうかは、その人が何をしてきた人で、どんな準備をしてきた人なのかどうかで判断する訳です。自己資金は金額が大きければ良いという訳ではないのです。もし、このような人がいたら、銀行からすれば、200万円あるなら、融資は800万円以下なら良いですよ、と言われる可能性もあります。これはまだ良い方の話です。コツコツと準備をしてきたことを、だれが見ても分かるように証明する責任は、お金を借りる人にあるのです。

〇タンス預金は自分で貯めたことを証明することが難しい。
 本当にコツコツと貯めたお金でも、それを第三者に証明することが出来なければ、残念ながら自己資金として力を発揮することが出来ません。将来の開業に向けて準備しているお金であるならば、第三者に証明するために、今すぐタンス預金をやめて通帳でお金を貯めるようにしてください。今からでも良いのです。気付いた時に通帳に移し替え、そこから通帳でお金を貯めるようにしておけば、金融機関も事情は考えてくれるはずです。金融機関は信頼したいと考えているのです。

〇タンス預金を自己資金として認めてもらうには?
 先ほどお伝えした通り、今すぐ銀行口座に入れてください。そして、このタンス預金の金額をどうやって貯めたのかを説明する資料を作成してください。例えば、タンス預金が50万円あったとします。まずは期間です。どれくらいの時間を掛けて、このお金を貯めてきたのか。次に、そのお金はどこにあったお金なのか。受け取った給料から生活費にいくら使って、毎月いくら残せていたのか、生活費に必要な金額(家賃や住宅ローンの返済、携帯電話、自動車ローン、衣食費用)をザックリ説明し、だから、毎月〇〇円くらいは残せていた。そのお金を貯めてきた、と書いてください。給与が振込であれば、生活費として引き落とした額を見れば概ね説明が付くはずです。給与が現金受取であっても、もらったお金の給与明細と毎月生活に必要なお金の資料から説明すれば、こちらも概ね説明はできます。
大切なことは、コツコツと準備してきた証を作り、自分で証明をするということと、何よりも嘘を付かないことです。

〇おわりに
嘘はバレます。小さな嘘が大きな信頼を失います。自己資金が少ないなら、少なくても良いのです。少ないなら、少ないなりの対応と事業計画を立てれば良いのです。どうしても足らないなら、少しだけ開業を先延ばしすればいいのです。一度、融資申請をしてダメだったとしても、そこから準備をすれば必ず創業融資は受けられます。

ではまた。

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