事業を立ち上げる前に起業家がしっておくべき基礎知識

この記事は誰向けか
事業をたちあげるまでの流れ
会社の種類
会社と個人事業主の違い
専門家の種類と選び方
資金の集め方
事業にかかわる法律

まず最初に、これから事業を立ち上げようとする方へ。
事業を立ち上げようと、行動していることがすごいことです。
知らないこと、足りないことはこれから学んでいけばいいです。
なによりまず想いをもって、踏み出したことが掛け値なしに素晴らしいです。

この記事は誰向けか

一口に事業を立ち上げるといっても、いろんな人がいろんな状態でいろんな事業を立ち上げます。
例えば、学生が在学中に仲間と立ち上げる事業と、会社員が会社の支援を受けて立ち上げる事業と、会社が会社の事業として銀行融資を受けて立ち上げる事業は、全く別物です。
この記事では、会社で働いている社会人経験者が、会社をやりながら、複業、ダブルワークで1人から3人くらいの仲間と、初めて事業を立ち上げる場合を念頭にしています。
まずはざっくり、こんなことが必要になるんだな~と雰囲気をつかんでもらえれば。

事業を立ち上げるまでの流れ

  • 商材を決める。

  • 事業計画を立てる。

  • 資金調達方法を決める。

  • 事業形態を決める。

  • 事業の準備。

  • 開業届又は会社設立

  • 業務を回す。

  • 顧客を集める。

あくまで流れの一例です。これが絶対の正解、というわけではありません。

商材を決める。

誰に売るのか、何を売るのか、ビジネスモデル(収益)はどうあげるのか。
お花屋さんを例にすると、
誰に:一般家庭、レストラン、ブライダル関係者等
何を:お花、ワークショップ、保守・メンテナンス
収益:単発のお花の代金、月額課金(サブスク)、月謝、コンサル代
と商材も色々な形があります。もちろん複数の商材を扱ってもいいですが、メインとなる商材をまず決めましょう。

事業計画を立てる

商材が決まったら事業計画をたてましょう。当然、商品の単価や毎月の出費、固定費、材料費、資金の返済等色々なものが入ってきます。いつ黒字にするか、ご自分の手取りはいくらにするかも必要です。

資金調達方法を決める。

事業の立ち上げに必要なお金の集め方を決めましょう。
貯金を崩すのか、融資や出資を受けるのか。補助金や交付金という手もあります。

事業形態を決める

個人事業主でいくか会社にするか。節税や費用などのほかに、事業にどれくらい時間をかけるのか(会社員をやりながらやるのか等)等も考えましょう。

事業の準備

事業形態が決まったら、商材、事業計画等を見直して修正が必要なら修正しましょう。弁護士や税理士等必要な専門家を入れましょう。

開業届、会社設立

個人事業でいくなら開業届を、会社にするなら会社設立の手続きをしましょう。

業務をまわす

社長が営業もバックオフィスもメディア集客も全てやるのか。特定の業務に専念したい場合は、他の業務を任せられる仲間や外注先を探しましょう。

顧客を集める

最後は売上に必要な顧客、お客様を集めましょう。

会社の種類

一口に会社といっても、じつはいろんな種類があります。
が、ほとんどの場合、株式会社か合同会社になりますので、この二つと個人事業主の3個だけ話します。

個人事業主

自分の名義で事業を行います。
即日スタート可能、費用も0円。
会社との一番の違いは、事業のリスク(負債、賠償義務など)が名義人本人にかかることです。
なので小規模の事業や、在庫や原材料の負担が少ない事業(コンサルタント、SE等)などに留める方がいいと思います。

個人と法人

会社について話す前に個人と法人について少し話します。
法人とは一言で言えば、別の人だと思って下さい。
Aさんが法人aを作った場合、Aさんと法人aは別人です。別人なので、法人aの財産や借金はAさんのものではありません。つまり、仮に法人aで大きな失敗をして莫大な借金を抱えても、あくまで別人aの借金でしかなく、原則、Aさんの借金ではありません。

株式会社

出資者(株主)と経営者(役員)に別れる事業形態です。後で話す合同会社との一番の違いは、出資だけして経営に参加しない人がいる点です。
出資だけする人をいれる、上場を目指す場合は株式会社になりますが、迷ったら株式会社でもいいです。
なお、株式会社には『公開会社』と『非公開会社』があり、最初は『非公開会社』で立ち上げるといいでしょう。
非公開会社とは、全ての株式について、譲渡制限(会社の承諾がないと株主が株を他の人に譲渡できない制約)がついた会社です。

合同会社

出資者(社員)と経営者が同じ事業形態です。
出資者全員が役員として経営を行うので、出資者が複数いる場合、強いバディシップが求められます。
株式会社より設立費用や運営時の手続きが少ないので、ワンマンオーナーの場合、迷ったら合同会社で初めてもいいです。

事業形態の変更

上記のうち、個人事業主でスタートして、あとで会社にすることは難しくありませんが、逆(会社から個人事業主にする)は手間がかかります。
株式会社と合同会社間の変更は、費用こそかかりますが、いつでも可能です。
なので、ここは深く考えずにえいや~で決めてしまい、必要なら後で変更する、くらいの感覚でいきましょう。

専門家の種類と選び方

専門家の選び方

専門家とは弁護士、税理士等の士業や各コンサルタントをここではさします。
先に選ぶ際のポイントだけ伝えます。

①何でも相談できること
②立ち上げる事業の分野に精通していること
③立ち上げる事業の規模に合致していること

①何でも相談できること
専門家も人ですから相性があります。合わない人と無理に仕事をしても仕方がないので、自分と合う人、何でも話せる信頼関係が築けそうな人をまず選びましょう。

②立ち上げる事業の分野に精通していること
よほどマニアックな事業でない限り、ほとんどの方は対応できますが、中にはその分野特有のリスクや事情をしっていないといけない場合もあったりするので、依頼する際はその事業分野に精通している方が望ましいです。

③立ち上げる事業の規模に合致していること
個人が手出しの数十万円で立ち上げる事業と大手企業が数億円の融資を受けて立ち上げる事業では、求められるものが全く異なります。
なので大企業を相手にする大手事務所を探すよりも、中小企業や個人事業の案件を手掛ける専門家にあたってみましょう。

弁護士

オールマイティーな士業です。誇張ではなく、この後話す各士業ができることは全てできます。ただしあくまで資格の上での話であり、税務なら税理士、知財なら弁理士、と各スペシャリストの方が各分野では精通していることも多いです。

とはいえ、まず最初に弁護士に相談した後、必要に応じて各士業にいくといいです。

税理士

税務の専門家です。事業立ち上げ時に税務署への届け出や確定申告、経費になるかどうかの判断等をしてくれますので最優先でいれましょう。

司法書士

法務局関係の届出の専門家です。会社設立時の定款作成、定款認証などを個別にする場合もあります。なお会社設立手続きは、弁護士だけでなく税理士や行政書士も対応してくれる場合があります。

行政書士

国や自治体への許認可や届出等の専門家です。

弁理士

特許や商標等の専門家です。社名やサービス名が既に商標登録されていないかや、開発したアプリが他社の特許権を侵害していないか等を調査したります。

社労士

雇用する際の年金、社会保険、年末調整等をみる専門家です。事業立ち上げ時すぐは不要でも数年後に必要になるかもです。

各コンサルタント

飲食業、IT業等各業界に精通する人と、営業、財務、メディア集客等各業務に精通する人がいます。知識、経験だけでなく人や取引先の紹介をしてくれる場合もあります。


資金の集め方

自己資金

自分の貯金を崩したり、給与所得からお金を回す方法です。
自分一人で完結するので資金に余裕があればいいですが、貯金も給与も簡単には増やせないので事実上限界があります。

借入

銀行や投資家から謝金をする方法です。大きな金額をひっぱれる可能性がありますが、利息や担保を要求される場合があります。特に、会社の連帯保証人にされてしまうと、個人にも借金の返済義務が生じてきますので注意しましょう。

出資

会社の出資をしてくれる株主等を探す方法です。借入と違い、返済義務や利息がありません。自分の出資比率が下がると、株主総会などでの自分の発言権が下がるので注意しましょう。

社債

借入と出資の中間的な性質をもっています。個人事業主では使えません。

補助金・交付金

国や自治体が定める要件を満たした事業を行う際に、支給されるものです。返済義務がないものもあります。借入より条件が緩いことが多いです。
一部、先払い(設備投資500万円を払ったあとに手続きをへることで次年度500万円入金される等)のケースもあるので要件や入金時期は確認しましょう。

助成金
助成金は条件を満たす雇用をした際に、国が支給するものです。助成金のために雇用するのは本末転倒なので、雇用する場合には使える助成金がないか確認する、くらいにしましょう。


事業にかかわる法律関係

秘密保持

NDA、守秘義務ともよばれます。会社の情報資産を守るには、相手と秘密保持契約をまいていないといけないので、必ずまく癖をつけましょう。

知的財産権

特許権や著作権、商標権等法律が権利を認めたものです。要件を満たす限り、契約相手以外の誰に対しても権利主張ができます。

ノウハウ

知的財産権と異なり法的に権利と定められていない情報資産です。必ず他人に見える場合は、秘密保持を先にまきましょう。また巻いていたとしても、一度流出するとリカバリーが聞かないので、秘密保持をまいた場合でも必要最小限の開示にしましょう。

特定商取引法

通信販売など特定の事業をする際に適用される法律です。

ECサイトやオンライン決済可能なサービスはほとんとが通信販売にあたるので特商法の適用を受けます。

その他特別法と許認可

飲食業における保健所、中古品を扱う際に古物免許の取得、パッケージツアーを組む際に旅行業や旅館業等、特定に事業をする際にその事業を規制する法律や許認可が生じます。

最後に

まずは、事業計画をたてるところまでやっていきましょう。
事業計画をたてるにはどうしたらいいのか、商材はこれでいいのか不安という方に向けたアドバイスはまた次回以降やっていきます。
さあ、事業を始めよう。


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