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息子としい茸

 夏休みになると子供たちが学校で作った作品を持って帰ってくる。その学年なりの成長を感じられ、いつも楽しみだ。そんな中、長男のシュウタは、昔からあるテーマの作品を定期的に持って帰ってくる。「しい茸」だ。


 今回の表紙の写真の版画は、二年前の作品。テーマは何でもよかったそうだが、この時は「五本の指を版画で彫るのを頑張った!」と言って持って帰ってきた。この作品は、五本の指もそうだが、しい茸の傘の裏のひだも上手に彫れているし、上手だったので我が家の居間に額に入れて飾ってある。


 その他、小学校の低学年の時の『夢の家』というテーマの作文のときは、「しい茸の原木でできたログハウス」というタイトルで作文を書いていた。本人曰く、

「しい茸の原木でできたログハウスだったらいつでもしい茸が生えてきて、食べたいときに食べれる夢の家じゃん」

ということだった。そんな事を言ってくれる息子が可愛いと思いながらも

「でも、しい茸の原木って五年もすると役目を終えてボロボロになっちょうよ」

と意地悪なことをいったら、

「えー!そうなのかー…」

と少しへこんでいたが、結局のその作文のまま提出した。


 今年は段ボールを使った工作で、立体の巨大しい茸だった。

「リンママとマモちゃんに見せるんだ」

と意気揚々に持って帰ってきた。しい茸の傘の立体感を段ボールで再現する難しさや自分なりの工夫のポイントを教えてくれた。


 最初はしい茸に関わる作品を作ってくるのはたまたまだと思っていたが、続いているのでシュウタになんでいつもしい茸なの?と聞いてみた。

「それは、喜んで欲しい気持ちと、せっかく作るなら飾ってもらえるものがいいから~。しい茸だったら飾れるし使えるじゃん。友達はゲームとかの作品を作ったりしていて、キノコを作ると笑われるけど、全然気にしない」

 使って欲しいという想いが込められていたとは。しい茸やキノコ嫌いの子供が増えている中、こうして学校の作品でいつもしい茸を作ってくれる我が子が可愛いと感じる反面、何かプレッシャーも感じているのかもしれないと少し心配でもある。


 でも、家族を想う優しい気持ちや、こうして家業の事を胸を張って自分の作品として生み出してくれているという事が何より嬉しい。どんな大人になるのか分からないが、このままの感性と優しい気持ちを持った大人になって欲しい☆

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