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新種!?丸太郎

「前に作った菌床しい茸だいぶ生えてきているよ」

年末に帰省した際にマモちゃんが、菌床しい茸が収穫を迎えたと教えてくれた。この菌床しい茸は、原木しい茸の菌植えの作業で出てくるおが屑を使って作ったもので、以前に記事に書かせていただいていたものだ。それが収穫を迎えている。

「去年は温暖化で、露地栽培の原木しい茸の発生するタイミングが悪くってね。忙しくて菌床しい茸の世話まで手が回らなかったんよ。だから、菌床しい茸の袋を破るタイミングがおそくなってしまって‥どうかなー。一度見てみてください。」

菌床しい茸は、殺菌したおが屑にしい茸の菌を植菌したものを熟成させて作られる。熟成期間はポリ袋の中で、外部の環境から隔離されている。十分に、菌がまわって熟成された菌床は、ポリ袋を破ることで初めて外部環境に触れる。その刺激により、しい茸が発生する。通常であれば、三月に植菌した菌床は九~十月頃には、しい茸の発生できる準備ができる。しかし、今回はそのタイミングを逃してしまい十二月にポリ袋を破ったそう。だから、年末の時期にしい茸が発生していた。

 さっそく菌床栽培のしい茸のハウスの状況を息子達と見に行ってみた。

ハウスには、五百個ほどの菌床が並べられていた。マモちゃん自身久しぶりに菌床しい茸を発生させたうえに、発生の時期を逃してしまったとはいえ、直径八~十センチメートル程度の肉厚で立派なしい茸が沢山生えていた。出荷できそうなものを子供たちと収穫することに。

ハウスの菌床しい茸

 収穫を始めると、奥から子供が喜んで走ってきた。

「パパ―、すんごいのあるよ!」

子供が、手に持ってきたのは直径十センチ以上はある、ボール状のしい茸だ。通常は、しい茸の傘の下に軸と比べると細目の軸がついているが、この日発見したのは軸と傘が全くの同じ大きさになってボール状になっていた。

丸いしい茸を見つける

次男と三男とそんな話していると

「丸太郎ほかにもあるよ!」

よく見てみるとその区画には、同様のボール型のしい茸『丸太郎』がたくさん生えていた。

 子供たちと収穫して、家に持って帰ってマモちゃんに見せると

「たまに、変な形のしい茸が生えてくることがあるけど、たくさんだね」

と笑っていた。


 包丁で半分に切ってみると、軸と傘が一体化していた。通常軸は固くて食するのに向いていないように思うが、丸太郎は軸も柔らくて食べられそう。スライスしてオリーブオイルで炒めて食べてみると、しっかりとした歯ごたえにしい茸の香りがあってこれまでにないような面白い味わいで、これはこれで面白い。

「エリンギみたいだけど全然しい茸の味がするー!」

子供たちも食べてみて、率直な感想を教えてくれた。なるほど。そのような感じが良く言い当てていると思う。

丸太郎。

突然現れたボール型のしい茸。こんな品種もいつか商品化できると面白いかもしれない。

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