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ストロー袋友好同盟

給食が好きだ。

そしてそれ以上に、人の給食にまつわるエピソードを聞くのが好きなのだ。

『好きな給食何?』

この話題で小一時間は余裕で盛り上がれる自信がある。

給食は地域性が出るから面白い。
私は青森出身だが、他県の人の給食事情もなかなかに興味深い。

しかし、飲み物はどの地域も大抵牛乳なのではないか?

『ごはんに牛乳』

これもなかなか賛否が分かれると思慮される。

お茶しか勝たん!!というお茶強火担の友人もいた。

ちょっとした違和感が当時の私には心地よかった。

身長が絶対に伸びる!と信じてやまず、牛乳嫌いの友人からもらって一日二本飲んだ。
もはや飲む、というより吸うに近かったと思う。

必死である。

弟も某セ〇ビックを常飲していた。
血は争えないらしい。

結果弟は我が家で一番の高身長保持者(未だ破られず)となり、小人族である中坂家の希望の光となったのは言うまでもない。

必死に吸っていた私は健康診断のたびに縮んでいる。
解せない。

400mlの牛乳+汁物なのだから、食べ終わる頃のお腹はまあまあのタポタポ具合である。

給食の牛乳といえば、隣のクラスに仲の良い女の子がいた。

私が一方的に仲が良かったと思っていたではないといいのだが…

独特の世界観を持った彼女が好きだった。

”ストローの袋を結んで繋ぎ合わせる”

ちょっと意味が分からないと思う。

私もそうであった。


しかし、

特命係として、その任務を遂行し続けた。


そしてそれは、彼女と私をつなぐ存在でもあった。

そんなちょっと奇妙な繋がりが、私は嬉しかった。


ストロー袋友好同盟と名付けよう。

冬季のクソデカ白菜くらいのサイズ感である。

約2年間、ロッカーの上でその白菜は鎮座し続けた。


今思えば、あれには何か意味があったのだろうか。 

いや、意味なんて無かったのかもしれない。

ただただストローの袋を繋ぎ合わせたかったから、そうした。

それで十分すぎるのではないか。


卒業後どうなったのかな。紡がれに紡がれたあのストロー袋、全長何mだったのかな。

それを知らないまますっかり大人になってしまった。

きっと真相は彼女にしか分からない。


牛乳は今でも大好きだ。

身長に関してはノーコメントで。





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