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30代エンジニア、山に登る

「人はなぜ山に登るのか」

そこに山があるからだ

ジョージ・マロリー

イギリスの登山家、ジョージ・マロリーはそう答えたそう。

きっかけ

2023年6月、急に思い立って山に登りたくなった。

自分は長野県出身ということもあって、山というものが割と身近な環境で育ってきた。家の庭から当たり前のように北アルプスの山が見え、360度山に囲まれた盆地で毎日山を見ながら生活していた。小学生の時には美ヶ原に登った。中学の時には燕岳に登り、初めて雲海とご来光を見て、その素晴らしい景色に感動さえした。ただそこから十数年、登山というものにほとんど関わらずに過ごしてきた。大学の時に富士山に登ったことはあったが、あれは登山というよりもエンターテイメントの一つとして捉えていた。大学で上京してからはそもそも山が視界に入ることがなくなってしまった。東京で暮らしていると物理的にも精神的にも山は遠いものである。都心から行くには遠すぎる。アルプスに登ろうと思ったら日帰りじゃ無理だし、そこそこ装備も揃えないといけないので気軽にできるものではない。燕に登った時の楽しさを感じつつも、登山と言えば高齢者の趣味というイメージが強く、たまにイベント的に登るのはいいけど、あんな重たい荷物を背負って山に登るのを定常的な趣味にするのはいかがなものかと思っていた。そんなこんなで趣味としての山登りというのは選択肢になかった。

そんな中、令和になり、猛威を振るった新型コロナも落ち着き始め、何か新しい趣味を始めたいなと思っていた折に、YAMAP という企業があることを知った。Ruby Kaigi というプログラミング言語のカンファレンスが2023年はちょうど松本開催で、そのスポンサーの一社として YAMAP が協賛していた。カンファレンス後に霧ヶ峰のハイキングを企画していて、テックカンファレンスに付随してそんなイベントがあるのかあと意外に思った。どうやら定員オーバーになるほど人気らしい。それを見て、そういうスタートアップ(と言っても YAMAP はサービス提供から10年ほど経っている)が出てきているのなら、山って今でも流行っているのかな?とそんなことを思ったのを覚えている。

そんなことがあって、東京に戻ってからもしばらくは山というものが頭の片隅に残っていた。本屋に行ったら一冊の雑誌が目に止まった。

https://brutus.jp/magazine/issue/987/

BRUTUS の『山を、歩こう。』である。
巻頭では橋本愛さんが入笠山を登る様子が紹介されており、それを読んで「ああ、山っていいなあ」とふと思った。険しい山を登る様子ではなく大自然の中をトレッキングするような紹介の仕方で、そういうのもいいなあと。いっちょ登ってみるかと。
そこから Youtube で登山動画を見漁るうちに、山への思いが募っていった。アルプスの山々に登って最高の景色を見たいという欲が強くなっていった。

何はともあれ装備

流石に靴は買わないといけない。高尾山レベルならスニーカーでも問題ないが、ある程度の山に登るなら登山靴は必須。ということで、石井スポーツに行って登山靴を購入。何も分からなかったから店員さんに一から教えてもらって、何足か試し履きして、キャラバンの C1_02S をゲット。

C1_02S

レインウェアは昔バックパッカーをやった時に買ったモンベルのストームクルーザーがある。リュックはタウンユースのではあるが雨蓋とチェストベルトが付いているものがある。これで最低限の装備が揃った気がする。

実際に登ってみる

登山を始めたいが、どの山から登り始めればいいのだろう。

一番最初に頭に浮かんだのが高尾山だった。しかし、高尾山には一回登ったことがあるし、あれでは登山というよりハイキングである。もう少し登山っぽい感じを味わいたい。かと言って難しいところは初心者にはリスクがある。どんな低山にだってリスクは付きものである。と、そんな感じで考えていたら、日帰りで行ける距離に筑波山があるじゃないか、というのを思い出した。しかも調べたらなんと百名山だし、百名山の中で一番標高が低いらしい。なんなら最悪ケーブルカーで下山できる。最初に登るには打ってつけの山ではないだろうか。

ということで、実際に登ってみた。つくばエクスプレス初めて乗ったなあ。そして寝坊したから登り始めたのが10時になっちゃった。久しぶりの山登りは案の定、中々にきつい。普段とは違う筋肉を使うし、何より暑すぎて登り始めて10分で汗だく。

登山口
登山道っぽい登山道

あれなんか辛くね?と思いつつ歩みを進めること1時間弱でロープウェイ駅のある広場に到着。とりあえずポカリ買って一気飲みした。この暑さ、油断できん。そこから山頂までは緩やかな道を歩く。

女体山山頂から眺める関東平野


疲れたけど登り切った時の達成感はやっぱりいい。山頂から見る景色もひとしお。標高1000mもないけどそれでも遠くまで見渡せて気持ちがいい。この爽快感はたまらんなあ。男体山にも登って、うどん食べて下山。

うどん

勝手がわからず筑波山ごとき?でまあまあ疲れてしまったけど、楽しかった。結論、山はいい。

これが自分の登山第一歩である。

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